がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

上村松園〈焔〉と藤の花、そして九条武子夫人など

手紙 / 花のうえにも ~藤 - 片鱗カフェusaurara.hatenablog.com 手紙 / 花のうえにも ~藤 - 片鱗カフェ お琴は好きだったなあ。六段ももう弾けない。わたしにとっては「宇津保物語」の楽器でもある。藤はエロくて大好きですよ。藤娘も好きだけど、じぶんの…

我ら富士見ヶ丘を征す――夢日記4

遠くに富士山が見える。あの河より向こうは敵の陣地だと友人が囁いた。敵? それはいったい何の悪巫山戯(わるふざけ)かとその横顔に問いかける。友人はうっすらと微笑んで、我らはこの富士見ヶ丘を征したのだ、この勢いで進軍するぞとわたしを見た。いや、…

11 「枠小説」についてとか 筒井康隆『創作の極意と掟』とウンベルト・エーコ『薔薇の名前』とジョン・バース『金曜日の本』

ひさかたぶりに。 読むこと、書くこと、発表すること カテゴリーの記事一覧 - がらくた銀河 もうきっと、みんなとうに読み終わってるよね! 創作の極意と掟 作者: 筒井康隆 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/02/26 メディア: 単行本 この商品を含むブロ…

かなでる――夢日記3

催物会場はだいぶ奥にあった。お琴がいくつも立てかけられていた。ああ、わたしはきっとこれを見にいくつもりだったのだ。目当てを見つけた安堵をさきほど横を駆け上がっていった男性が耳にした。職人だった。顔をあげて確かめるほど不躾ではなかった。だか…

すすむ――夢日記2

左右の窓から日がさしこんで渡り廊下をやわらかに、広々と見せている。わたしはそこがデパートであったと思い出す。新館と旧館を繋ぐ通路は地下と六階、そしてこの最上階にあったのだと。いや、だとしたら階段に扉があるのはおかしいはずだと考えて足をとめ…

のぼる――夢日記1

古いビルの階段をひとりでのぼっていた。窓はなく、薄暗い。電灯が半分しかついていないところをみると、おそらくは震災以降のことなのだろう。行きあうひともなく、不安におもう。わたしは最上階に用があるはずなのだ。けれどそれが何であったのか思い出せ…

歓びの野をつづれ織る15 ゾイゼ宰相のモデル――『中世の秋』に登場するニコラ・ロラン

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com その旨を、ゾイゼ宰相自ら足を運んで伝えてきた。 ゾイゼはぞろぞろ共を引き連れて歩くことを良しとせず、そういうときはそこらの神官職ほどの身軽さでやってきた。逆にいえば、ゾイゼ宰相が威儀を正してこないときは…

歓びの野をつづれ織る14 地下への憧れ、ロワール地方の洞窟住居のことなど

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com ここ毎日かくのが大変だと気がつきましたわたしです。愚痴ってすみませんw今日は、このへんとかロワール地方の魅力 <洞窟住居> - 晴れのち曇り、時々パリ ロワール地方の魅力 <洞窟住居> - 晴れのち曇り、時々パ…

歓びの野をつづれ織る13 西欧の肖像画の流れについてなど

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com ピクシブのほうで評価やブックマークしていただきましてどうもありがとうございます。ひっそりここで御礼申し上げます。 [R-18]「ある名詞を巡る三つの物語」/「磯崎愛」の小説 [pixiv]www.pixiv.net 今日もまたぼん…

歓びの野をつづれ織る13 西欧の肖像画の流れについてなど

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com ピクシブのほうで評価やブックマークしていただきましてどうもありがとうございます。ひっそりここで御礼申し上げます。 [R-18]「ある名詞を巡る三つの物語」/「磯崎愛」の小説 [pixiv]www.pixiv.net 今日もまたぼん…

歓びの野をつづれ織る13 西欧の肖像画の流れについてなど

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com ピクシブのほうで評価やブックマークしていただきましてどうもありがとうございます。ひっそりここで御礼申し上げます。 [R-18]「ある名詞を巡る三つの物語」/「磯崎愛」の小説 [pixiv]www.pixiv.net 今日もまたぼん…

歓びの野をつづれ織る12 爵位順で偉さが決まるわけじゃない難しさとか紋章とか

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ 外伝をひとつアップしてきたのですがすでに読まれてるかたも多いかなあと。 さて、今日は爵位とか。 よく知られているように「公、侯、伯、子、男爵」というのは明治期の日本に輸入されたもので、…

歓びの野をつづれ織る11 騎士と剣

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ 今日は、ルネの妻であったひとが刺繍していた武勲詩の元ネタのはなしをちょぴっと ローランの歌 - Wikipedia フランス最古の叙事詩、シャルルマーニュのこの伝説は、ことにロンスボーの大敗におけ…

歓びの野をつづれ織る10 鐘の音がふってくる場所

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ 今日は黒死病のはなしを。じゃなくて鐘について、だ。というか、資料は色々あるのでどうでもよくて(え? ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF) 作者: コニー・…

短歌中心百合アンソロジー『きみとダンスを 百合詞華集』に掌編「三十振袖」で参加しております!

金沢文学フリマ、いよいよですね! 金沢いいなあ、むかし仕事と文芸部の合宿でいきましたがとても素敵なところでした。いつかまた行きたいです。 さて、 素敵なご縁を頂戴いたしまして、 短歌中心百合アンソロジー『きみとダンスを 百合詞華集』に掌編で参加…

歓びの野をつづれ織る9  ご領主さまの一人歩きについてなど

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ kakuyomu.jp 今日はこう、なんていうか、ぼんやりとしたはなしをw(いつもぼんやりしてるとかいわないでください><)。 王様のイメージについて、なんかこう、おつきがいっぱいいて、ひとりでは…

歓びの野をつづれ織る8――ブルゴーニュ公国ディジョンのことなど

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ 主人公エリス姫のモデルその三はもっとあとでおはなししたほうが都合上よさそうなので今日はなんのはなしをしよう? うーん、オルフェ殿下が出てきたから、じゃあエリゼ公国の首都のモデルとなった…

歓びの野をつづれ織る7 王妃マルゴ、そしてカトリーヌ・ド・メディシス

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ 今日は、このおはなしの主人公・男装の女公爵エリス姫のモデルのお話し其の二。 王妃マルゴことマルグリット・ド・ヴァロワは、カトリーヌ・ド・メディシスの娘です。 マルグリット・ド・ヴァロワ(…

歓びの野をつづれ織る6 エリス姫のモデル――ルネサンス時代の高級娼婦

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ ☆やブクマ、はたまたツイッターでのRTやお気に入りいただいております。ありがとうございます。嬉しいです。 今日は前ふりしてたとおり、このおはなしの主人公である男装の女公爵エリスの帝都での…

歓びの野をつづれ織る5 臣従礼にオマージュとルビをふる

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ えーと、難しい漢字を使わないように気を付けてるつもりですが、 あと外来語なんかでルビふったほうがいいのは教えていただけるとうれしいです! ファンタジーってそのへんの勘所でセンス出るよね…

隆慶一郎『吉原御免状』

今週のお題特別編「この春に始めたいこと・始めたこと」〈春のブログキャンペーン 第2週〉 ちょっと和のもののほうの興味も復活させたいなあと。 尊敬する辻邦生さんみたいに、海外と日本のおはなしと両方きっちり書けたらかっこいいなあって思うので。 (も…

歓びの野をつづれ織る4 葡萄畑の争奪戦――ブルゴーニュ公国のことなど、あと鷗外とか

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/ このおはなしの舞台は現実のフランス・イタリア等がモデルであることはすでに述べてあるかとおもいます。くりかえされる《黄金なす丘》(ルネのお城のある土地ね)という地名はもちろん、エリゼ公…

こういうドレス着たいなあ♪ 

こういうドレス大好き! 着てデートしたいなああってきもちになったので。 <a href="http://traian.lunariffic.com/~shopd9/blog/midnight-dream/" data-mce-href="http://traian.lunariffic.com/~shopd9/blog/midnight-dream/">Decades - Blogs</a>traian.lunariffic.com セア・ポーターというひとのドレスです。 こんなひと。 デザイナー、セア・ポーターの初の大回顧展が、ファッション・アンド・テキスタイ ル…

歓びの野をつづれ織る3 シュヴァリエ・デオンに憧れて―異性装の登場人物が多いことなど

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com このおはなしは、 男装の女公爵(エリス:周囲にブーイングされてるなう)に始まり、女戦士の姫君(アレクサンドラ:アマゾンて伝説じゃなかったんだ!? と驚かれてるなう)とか眠れる騎士(これはあとでね、眠り姫…

「女」であるというそれだけで

ああいう男の子たちが一流企業に入って出世していくわけだ。内心で舌打ちし、成績だけなら負けていないのにと、ささくれた気分で淡いグレーのスーツにボウタイを結んで講義に出た。 茶道部長で文化会本部役員で学園祭実行委員であったという肩書が通用する小…

歓びの野をつづれ織る2  原典訳や映画のある有り難さ

歓びの野は死の色すnovel18.syosetu.com kakuyomu.jp そういえば、またあとでおはなしすることがあるとおもいますが、 塩野さんのこの本がやっぱりこのおはなしの最大のインスパイア元だろうなあと。 ルネサンスの女たち (新潮文庫) 作者: 塩野七生 出版社/…

辻邦生『夏の砦』

一日一冊辻邦生さん的な何かは続いていて、先日はこれを再読した。 堅牢な美しさというか、なにもかも物凄く丁寧に選りすぐってあるというか、なんていえばいいんだろう、細部は確かに豊饒だけど、硬い感じも受けなくはない(夏の砦というタイトルに比して北…

歓びの野をつづれ織る1  ごあいさつ

なんか新しいことを始めたいとかおもってるんだけど、身体はまだ動かないし(昨日ちょっと車の通る道も歩いてきたけど途中で雨ふって帰ってきちゃった、やっぱり車の走ってる道歩くのは怖いしグッタリする、今日は雨がふったりやんだりなので歩くのやめた)…

しらべものの軌跡

ちょろっとメモ。 いつものように気になったアーティストを追っていった記録。聞いてたのは、こちら。 Joint One Music Player で、この曲が気になって、ここからラストがこうなる、ていうのがわたし流w www.youtube.com (MVも洒落てる) Meet Niia: The…

番外5――小説ってむずかしいねえええ(嘆息)

「これは『小説』じゃない」とかそういう言い方、わたしは決してしないよう気をつけてるんだけど(言うとしたら、これはわたしのおもうところの「小説」じゃないであって、あくまでもそれに「」つけるねw)、 それとはべつに、 わたしもずっと、こういうこ…