がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

11 「枠小説」についてとか 筒井康隆『創作の極意と掟』とウンベルト・エーコ『薔薇の名前』とジョン・バース『金曜日の本』

 ひさかたぶりに。

 

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もうきっと、みんなとうに読み終わってるよね!

創作の極意と掟

創作の極意と掟

 

面白かったー!

ブックガイド、だよね。フローベールのところも凄く好きだった。ペレックの『煙滅 (フィクションの楽しみ)』を途中にしちゃってるんだけど、読まないとなあとか。これ、ホント頭ぐしゃぐしゃになってしまって、ですね! でも読むぞ、と。

あと、わたし知らなかったけど、これ!

 

Alphabetical Africa - Wikipedia, the free encyclopedia

 

「第一章がAで始まる単語だけで書かれている」んですって!

すごい、すごいね、そういうのカッコイイ!!!

ぐぐったら出てきたのではっておきますよん♪ 

 

作家:ウォルター・アビッシュ(Walter Abish:1931生)の 小説『アルファベティカル・アフリカ』(1974)は
第1章が Aで始まる単語で 構成されており
次章を経るごとに B C D E F…で始まる 単語が
使用に 含まれていく という 構成になっている

第1章 A
Ages ago, Alex, Allen and Alva arrived at Antibes, and Alva allowing all, allowing anyone, against Alex's admonition, against Allen's angry assertion: another African amusement . . . anyhow, as all argued, an awesome African army assembled and arduously advanced against an African anthill, assiduously annihilating ant after ant, and afterward, Alex astonishingly accuses Albert as also accepting Africa's antipodal ant annexation. Albert argumentatively answers at another apartment. Answers: ants are Ameisen. Ants are Ameisen?

 

http://atonal.fc2web.com/mr/kotoba/kotobaasobi/kingt/kingt15.html

 

 うお―、興奮するねー!!!

というわけで、

たいへんに面白い本でした、さすが、いつもサイコ―です筒井先生☆

 

でも、えっと、あの、

エーコ先生の『薔薇の名前』、

例の「手記だ、当然のことながら」をあげて、

 

「どうも難しいことになってきたが、現代日本では文学の最前線でも、ここまでは考えなくてよい。」

 

て書かれているのは、

いやいやいやいやいや、それは、さすがに最前線でそれはないんじゃないでしょーかっ、ておもいましたまる。

だよね???

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈上〉

 

 

薔薇の名前〈下〉

薔薇の名前〈下〉

 

 薔薇の名前はいわゆるパスティーシュ、オマージュ、パロディ小説なので、みんなゲラゲラ笑いながらよむのがイイとおもいます。

シャーロック・ホームズファンと、ダンテの『神曲』と、ボルヘスふぁんは特に!(ていうか、ボルヘス自体が『神曲』ファンだから幾重にもなったパロなんでしょうけどね)

薔薇の名前』を怖がって手を出してない方いらっしゃったらもったいないんで。

神学とかよく知らないと敬遠するひとがいたら、あのエーコ先生の薀蓄にそれこそ思う存分溺れたらいいだけだとおもう。十全に理解したいきもちはあるけど、だって、わたしみたいなひとにはそんなのワカルはずもないし。

だから、エーコ先生はほんとに本物の「物語作家」なので、そこを信じて読み進めばいいとおもうのだ。

それから、

「枠小説」については、このへんを読むといいかな。

金曜日の本

金曜日の本

 

 ジョン・バースというひとのこの偏執狂的なかんじ、好きです。

でも、小説自体ははまれなかったかなあ、いえ、面白いんですが。好み、として。このひとに憧れることはあるけど、きっとわたし万が一チャンスがあっても、いざとなったらお付き合いはしない、みたいなw

なんか、うん。そういう感じなのさ。わたしにとってのジョン・バース作品て。

これは、あくまでもわたしの「好み」のはなしです、はい。好きな男性のタイプ、みたいなアレねw

あ、そうだ。

この本についてはこっちでちょっと書いてあるので割愛。

florentine.hatenablog.com

 

ところで、

わたしはこの「手記だ、当然のことながら」が大好きで、じぶんの小説の外伝にも使わせていただいている。

 

 唐突だが、「侯爵夫人は五時に家を出た」式にこの書き物をするつもりはなくなった(たんに、浅倉の顔をみたら気力が萎えたのだ)。言い訳をすると、俺はべ つに小説家をめざしているわけではない。そもそも一人称小説とはおしなべて「自伝」(または書簡)であり、過去を振り返って「本人」によって書かれたもの であるという体裁をとる(ことくらいは知ったうえで書いていてほしいと願う俺はいっとき仏文学者を志したことがあるとだけは告白しておく)。つまり、どう 考えても三十代の俺がものすには早すぎる。そしてまた、いくら俺がウンベルト・エーコ先生と同じ一月五日生まれであろうとも、「手記だ、当然のことなが ら」と書いて恥を上塗りする気もない(そんなことをしたら、深町サンに鼻であしらわれるに決まってる)。

 

外伝・それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ

http://novel18.syosetu.com/n4528q/209/

 

 あ、いちお、

同人誌にもしてあるので、はっておくね☆

c.bunfree.net

 

それとね、こちら。

popscene.hatenablog.com

 

みんな面白い小説についていっぱい考えてるよね。

そういうの、凄く好き。とても好きです。