上村松園〈焔〉と藤の花、そして九条武子夫人など
手紙 / 花のうえにも ~藤 - 片鱗カフェ
お琴は好きだったなあ。六段ももう弾けない。わたしにとっては「宇津保物語」の楽器でもある。藤はエロくて大好きですよ。藤娘も好きだけど、じぶんの小説だと藤はすべて美貌の男性に添えている花。
2015/04/28 20:44
藤の花について、
じぶんにちょくせつ関わりのある話しをするとなると、これになる。
上村松園の〈焔〉。
ある男性に、この絵を見るとわたしを思い出すと言われたことがある。
謡曲「葵の上」に想を得て源氏物語に登場する六条御息所の生霊を描く。美人画作家といわれる松園の作品の中では異色の主題。髪の端を噛んで振り返る青い顔 には嫉妬に翻弄される姿が現われ,白地の着物に描かれた清楚な藤の花にからむ大きな蜘蛛の巣が,執拗な怨念を不気味に暗示させる。
拡大図
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl_img&size=L&colid=A11098&t
こういう場合、この男性はわたしに熱烈に懸想するなり已む無く別れた恋人だったりといった何かがないとホント面白くないのですが、ずえんずえんそんなことのないひとで、ほんとツマランw(←美術品やら花やらに譬えられてもそういう関係じゃないとオモシロくないです、ぷんすか! なのでネタにしないでさっさか出すのに躊躇いがない)
とはいえ某広告代理店の美術展担当者でらっしゃるので、きっと何かが溢れ出ているんだろうとはおもってるんですが。
ていうか、
マジレスすると、
こんな凄艶な美女ならわたし、こんなどうしようもない人生送ってないし!
ほんともー、わたしがこんなひとだったらどれほど艶っぽい、凄味のある小説が書けるでしょうに!!!
ていうふうに思いながら生きてますwww
ただし、
源氏物語で誰とお付き合いしたいかというと六条御息所かなあっておもってて、
しかも、男友達にまで源氏物語中の人物で誰に似てるかとたずねると「君はほんとに光源氏だよね」て言われてるので、
なんだろう、理想の女性でいうとこんな感じのひとが大好きすぎてツラい、ておもうので。
たぶん、そういうわたしの切ない欲望が反映されてるのだろうなあ。
それから、もうちょっと現実的なことをいうと、
その絵の小袖、蜘蛛の糸と白地のではなく、緑色という西欧では嫉妬の色とされる着物とよく似ている訪問着はもっている。
白地の、蜘蛛の巣と藤の花のそれはもっと背が高くて、しゅっとした美女じゃないと着こなせないとおもうけどね。身長も大事、色合いや柄行だけでなく。
もちろん、それを着た姿をお見せしたことはない。
でも、自分がそうだから言うのだけれども、このひとにこういう服とか格好とかってきっと似合うだろうな、みたいなのは常に考えちゃう質なので、そういうことかな、と。
じぶんの頭のなかに、好きな絵の着こなしのストックは当然はいってる。まして、こういう名画ならなおのこと。
ひとが、ひとに与える印象、というのは意外にそんなところにあるのではないか、と思った次第。
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松園というと、九条武子という美貌のひとの名前を出さないといけないと思い定めてしまうくらい、好き。
武子夫人
しかし、流行の魁 となろうとするには、隙 が要 りお金も要るわけです。それに美しい人でないといけない。美しい人だと、どんな風をしてもよく似合うのはそこだろうとも思います。
最近で日本のあるひと頃の流行の魁をなした人として、私は九条武子夫人を思い出します。
武子さんは生前自分で着物の柄などに就いて、呉服屋にこんな風なものあんな柄のものと頻りに註文していられました。この間内から大倉男爵や横山大観さん などの歓送迎会などの席上で、京都でも一粒選りの美人を随分見る機会がありましたが、目が美しいとか生え際がいいとか、口許が可愛いとか、兎に角部分的に 綺麗な人はかなり沢山ありました。けれども何も彼も揃って綺麗な人というと、なかなかいないものだと思いました。第一、あの社会の人だと、何処となく気品 に乏しいので、これ一つでもすでに欠点になります。そこに行くと武子さんくらいの人は、よっぽど珍しいと私は思ったことでした。
余技といえば、九条武子夫人を憶い出します。
九条武子夫人は、松契という画号で、私の家にも訪ねて来られ、私もお伺いして絵の稽古をしていられました。
武子さんの、あの上品な気品の高い姿や顔形は、日本的な女らしさとでもいうような美の極致だと思います。
あんな綺麗な方はめったにないと思います。綺麗な人は得なもので、どんな髷に結っても、どのような衣裳をつけられても、皆が皆よう似合うのです。
九条武子をかいた素描が美しすぎてうつくしすぎて、その場を離れることができなかったことがある。もーね、もーねもーね!!! タマラン、たまらんよ、ほんとに。
美人でお姫様でお歌がよめてって、すごいなあ。
むかしはこういうひとがいたのよねえ(嘆息)。