「小説」とか「物語」とか書きたいひとへ。
わたしが読んで面白かったその手の本をテケトーに、イロイロとりまぜて並べてみるYO!
えーと、まずはじめに、なんのかんのとバランスが取れていると思うのがこちら。
で、これをここから読むよりは、つまりお話の順序に従って、
と、
いま絶版みたいだからこっちを↓
を読んでおくほうがいいと思います。他にも関連新書が出てるけどそっちは未読。書き手が「完成版」やら「最終版」として提出したものをいきなり素直に受け取るより、そもそもの「成り立ち」を追うことが「語り」の基本でもあるわけで、その意味でも。「迂回」や「焦らし」はおはなしの推進力のひとつってことで。
それからやはりカルヴィーノ様を紹介しないわけにはいきますまい。
あわせて読みたいのはイタリア民話集 (上) (岩波文庫 赤 709-1)です。ここにこそカルヴィーノ小説の命の泉があると言いたいです。そして、ことにエンタメ系ストーリー書きさんは世界中の神話民話伝説聖人伝その他を制覇すると読ませるコツを手っ取り早く掴めるという気がします。
あ、それから、英雄神話系考察の書き手向けの最終回答は、キャンベル、ドゥルーズやらガタリやらじゃなくて*1、ジョン・バースの、
だと個人的には思います。この本の、ある種の偏執狂的な「読み」がいかにも小説家らしくてお気に入りなのです*2。
そいでもって、とっつきがよくてタイトルどおりに万人向けで、なおかつとても深いのが、
さらには大学の先生でらしたせいか語り口も快い、それでいて人生一度きり思い切りヤリナサイとけしかけてくれるのがこちら、
この二冊を手に取ると、素晴らしい師に出会えたような気分になるんじゃないかと思えます。
あと、とにかく賞を取りたいって方には、
これ、たしかシリーズになってて、問題集みたいなのがあったはず(不親切でごめんなさい)。お役立ち度は高かったような。
ついで、物書きの「こころ構え」って意味じゃ、これを。
4冊あるので、とりあえず全部とおして読まれるといいかも、です。
ん〜、わたし、小説家の書いた小説について本を読むのが趣味みたいなところがあって、わりとたくさん読んだように思ってて、とにかくそのなかでイチバン熱い! ですよ、ええ。この情熱、パッションという名の責め苦は味わっておいて損はないって言い切ってみるかな。
てなわけで、責め苦と言ったあとには愉楽と言いましょう。
これは文字通り講義録なんですが、ラスト、エーコ先生が羨ましくて泣けました。マジで。物語作家はこうでなくちゃ! ていう見本のように、颯爽として、おはなしを読むことと書くことの根源的な歓びをたたえた幕切れです。エーコ先生はほかにも物語における読者、あと開かれた作品 新装版(この版でよかったかな? ジョイス論が載ってるやつです)などもオススメです。
もうひとり、講義録ならこの方。
七つの夜とあわせてどうぞ。あのボルヘスが、目の前で話してくれてるような愉悦を存分にお楽しみあれ。
まだまだあるけど疲れてきたからこのへんで、トリはこんなのいかがでしょう?
小説じゃないですかっ!? とつっこまれるのを期待してw
もいっこイクかな。
ご承知のとおり、世の中には「芸術家小説」っていうジャンルがありましてですね。作家が小説(物語)について語り尽くすそれは、凄まじく心地いい。いや、痛いときや苦しいときもありますが、だって、小説書くひとはきっとこの世でイチバンそれが好きで堪らなく気持ちいいからこそ、辛くても大変でも本を読んで書くのだと思うので。
プルースト以降の作家であることに自覚的なウルフ様。その超絶技巧な語りに酔い痴れることこそが、じつは上達の近道かもしれません。
苦楽は共にしましょうぞ!
てなわけで、読むときは超絶エムで書くときはド鬼畜エスが信条の、florentineこと磯崎愛でした〜w