がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

歓びの野をつづれ織る9  ご領主さまの一人歩きについてなど

歓びの野は死の色す

https://novel18.syosetu.com/n5403bl/

 

kakuyomu.jp

 

今日はこう、なんていうか、ぼんやりとしたはなしをw(いつもぼんやりしてるとかいわないでください><)。


王様のイメージについて、
なんかこう、おつきがいっぱいいて、ひとりではとても外なんて出歩けないみたいなイメージを幼稚園生くらいには持ってたはずなんですが、
そういうのって絶対王政の後のはなしで。

 

そのころの、王様女王様がお世話されまくりな様子がよくわかる、このへんの本などいかがでしょ?

リディキュール (ハヤカワ文庫NV)

リディキュール (ハヤカワ文庫NV)

 

 

リディキュール [DVD]

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 実をいうと、わたしの初・高橋啓訳本!!!

おはなしの内容、その語り口も凄く面白いのですが、十二音綴(アレクサンドラン)の訳がもう、もうっ、なにこれ凄いっ!!! て震えが来たのですぐさま高橋氏のお名前を頭に刻み込んだのでした。はい。

映画もたいそう素敵なので是非☆ 

なにしろパトリス・ルコントですもの!(わたしのコスチューム好きを満たして余りある、美しい映画でしたわよ)

この本の中身にはいまは触れないでおく。大好きすぎるので。いつかまた。

 

あと、ヴェルサイユの雰囲気というと、これとか?

王妃に別れをつげて (白水Uブックス 180)

王妃に別れをつげて (白水Uブックス 180)

 

 小説より前に、こっちをよんだような。

これも映画になってたとおもうのですが見てない。残念ながら。

ヴェルサイユの薔薇みたいなのを想像すると違うかもですが、あ、これは好きってなった。

それから、シャンタル・トマに関してはこっち。

サド侯爵―新たなる肖像

サド侯爵―新たなる肖像

 

 これが面白くて、小説も書いてるんだーって読んだのでした、はい。

 

 


あ、そして話しを戻す。

王様というよりご領主さまのはなしですよ、

中世だと街中で豚に突進されて王子様が死んでたりなんてのもあって(汚物清掃のために豚を放し飼いしてたっていう例のアレですね 狩りや馬上槍試合とかで死んだならまだしも、なんだか浮かばれないなあと)

 

フィリップ・ド・フランス(Philippe de France, 1116年8月29日 - 1131年10月13日)は、フランス王ルイ6世と王妃アデル・ド・サヴォワの長男。ルイ7世の兄。

カペー朝初期のならいで、1129年に父の共同国王としてランスで戴冠した。しかし2年後の1131年、落馬事故によって15歳で早世した。代わって次男ルイ7世が共同国王に立てられ、1137年に単独の国王となった。

 

フィリップ・ド・フランス (1116-1131) - Wikipedia

 

 (ちっちゃいときに何かで読んで、豚? あのピンクの豚さん? 騎士なのに!? て思ったけど、やはりこどものときにイノシシを見にいったあと、なるほど、豚とイノシシは同じだった、あれはアブナイ、たしかに危険な生き物だ、とも思ったのだったまる)

 

ちなみに、この時代は因襲を引きついで「共同王」という形をとるのです。

サン・ドニ修道院長シュジェール―ルイ六世伝、ルイ七世伝、定め書、献堂記、統治記
 

 (うれし涙を流しながら読みましたよ)

他にあげる本あるだろうとおもいながら、この本が凄く有り難かったので宣伝しとくね。いやもう、長年ずっと思い悩んできた「Suger」の読みについても「シュジェール」でってなってたし。うん。(いや、シュジェならそれはそれで小説のネタとしては幾らでも使えるんだけど、ルの音があったほうが好きなの)

このくらいの時代だと、王権がむっちゃ弱いんですよ。

パリなんてのは、ちびちゃい街でした。南フランスのほうが豊かで文化的にすすんでた。

それからこの時代は、王様がちゃんと自分で戦争するからね!!!

あと訴訟とか。揉めると武力行使だしね。凄いよ、なんかもう、腕っぷしと頭脳と運とが要りまくりで、国を統治するの大変だなあってなるw

そりゃ美辞麗句でもって統治を褒め称えまくるよ、あと聖人とかオリフラムとか使えるものはなんでも担ぎ出すよねって。


あと、

さらに時代がすすんでルネサンス期になっても、フランス王家の城自体が、どこ、と定まっていなかった(だからマキャベッリが苦労した。いやしかし、たしかにルーヴル宮殿は使いにくかろうと思いましたよ、ロワールのお城にいって。パリはね、商人と大学の街なのだ)。

ルーヴル宮―パリを彩った800年の歴史

ルーヴル宮―パリを彩った800年の歴史

 

くりかえすけど、パリはほんと王様の町じゃないよね。

行って実感した。

もちろん王様の町だとおもってたわけじゃないんですが、でもなんていうんだろう、あ、こういう感じでそうなんだ、ていうのが、ね。

 

さて、

『歓びの野は死の色す』だと、ヴジョー伯爵家のルネなんてのは、偉大な円卓の騎士の末裔でエリゼ公爵よりお金持ちなんだけど、街中のひとり歩きは無問題なんですな。いちお領地におっきい立派な城がありますが、そこにいやしない、みたいな(だから城代がいる。そして下手すると乗っ取られる、ていうか作中のネタをばらすとほぼ乗っ取られたに等しいオチがついてますw)。


そういえばロレンツォ豪華公なんてひとは、街の外もひとりで歩いてるんじゃないか的な感じで、いやそれはやめたほうがよかろうとわたしが側近なら頭を抱えますが、そのあたりが豪華公の魅力でもあるよなあ、などと(豪華公は美男じゃないけど、ギリシャ語とラテン語ができる文章の上手い男のひとなのでわたしのタイプなのだ オチはここっすよw)
by florentine(磯崎愛) 2012/12/27 19:36:37