がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

小説の「世界観」とやらにリアリティをもたせるためにしてること

とうとう月に一度しかブログを更新しなくなった磯崎です、こんばんは。

 

ところで、先日「世界観をどうやって作ってるのですか?」というご質問をいただきました。

作っているという感覚はわたしにはなくて、後でまた言いますが、「その世界を言語化してる」ていう感覚は山ほどあるのです。

 

えっと、

その前に、以下ふたつの記事、そこに紹介した本をよんでもらったほうがいいです。

(いきなり話しを終わらせてますがwww でも、名だたる作家から教わるほうがいいと思うのね。わたし、何かを教えてもらうなら超一流がイイっておもうひとだから、わたしなんぞの言うことより、ていうのは言っておきたいのだよ、どうしても! 保身もあるけど、だって、ウンベルト・エーコ先生みたいな地球人類の優れた知性の持ち主に教わりたいでしょ???)

 

florentine.hatenablog.com

あとこれ

 

florentine.hatenablog.com

よし、言い訳したぞ!

 

自分のやってることの整理のために書きます(はあ、これでこころおきなくやれるぞ)。

 

ぶっちゃけ、くりかえすけど、

小説書きのいうところの「世界観」て、ただたんに「世界を観て言語化する力」だとおもうんです。

てことは、ほんと、

本を読めばいいんですよ!!!

 

 

①世界中、そしてこの国の神話伝説民話の類を読みまくる

②シンボルや表象についての本を読む

③美術史の本を読む(服飾史や建築史や音楽史など、衣食住、ひとに関わる文化史)

④モデルにする時代や場所があったらそこの土地時代に関する本(政治経済宗教法律等)を読みまくる

⑤モデルにする土地に行く、むずかしいなら美術展を見る

 

ほんとゴメン。

ほんとに本を読むしか言うことないんだよw

だって、何度も言うけど言語化するってことだから、

⑤を体験しても「書く」てのは文字情報なんだよ!!!!!

視覚や触覚や味覚や嗅覚や聴覚という情報を「言語化」するには、本を読むのが手っ取り早いんだよ!!!!!

 

言わずもがなですが、うん、そうなのさ。

体験しても言えないと、駄目なの。

その言い換えが「世界観」なんだとおもうのね。

てことで、

かんたんな例と説明をほんのちょびっと。

物量で攻めるものなので、そこが大事とおもいますです、はい。

 

①世界中、そしてこの国の神話伝説民話の類を読みまくる。

世界中です!!! 

もちろん中華とかヨーロッパとか限ってもいいんですが、ここの仕込みが多いとそれに準じてネタが増えるんだな。

ギルガメシュ叙事詩 (ちくま学芸文庫)

ギルガメシュ叙事詩 (ちくま学芸文庫)

 

 

水の神―ドゴン族の神話的世界

水の神―ドゴン族の神話的世界

 

 

マヤ神話 ポポル・ヴフ (中公文庫)

マヤ神話 ポポル・ヴフ (中公文庫)

 

 

何度でもいいますが、出来得るかぎり世界地図見て、ひとの住む土地すべて網羅したほうがいいです。

何故かというと、ファンタジーで国家や地方を考えるとき、それが土台にしやすいから。

あと、日本のなかでも北から南から、県ごとの民話とか読むと面白いのであわせて。

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

 

 

 

 

茨城の民 第1集 (日本の民話 新版 62)

茨城の民 第1集 (日本の民話 新版 62)

 

 

 

常陸国風土記 全訳注 (講談社学術文庫)

常陸国風土記 全訳注 (講談社学術文庫)

 

 

②シンボルや表象についての本を読む

 

シンボル形式の哲学〈1〉言語 (岩波文庫)

シンボル形式の哲学〈1〉言語 (岩波文庫)

 

 いきなりカッシーラーもってきたのはわたしの趣味なんでw

事典をただ捲ればいいとおもいます。

 

美術シンボル事典

美術シンボル事典

 

 

 

キリスト教美術シンボル事典

キリスト教美術シンボル事典

 

 

 

世界シンボル辞典

世界シンボル辞典

 

 テケトーに図書館で借りてきて、なんとなく意識するだけでよいとおもいます。

体系立てるのに、そっくりそれを真似てしまうと読者にネタ元を割ってしまい神秘性を失う、ていうのもある。

このさじ加減なんだろうとおもう。

 

③美術史の本を読む

ここまで読まなくともいいのかもですが、いちお。

西洋美術の歴史1 古代 - ギリシアとローマ、美の曙光

西洋美術の歴史1 古代 - ギリシアとローマ、美の曙光

 

 入門の本、数冊だけでも是非!

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

 

 何故かというと、「様式」の理解があると文化文明の説明描写がしやすいからです。ゴシックとかロココとかいう言葉を使わずともそれが表現できると、とたんに異世界に確かな手触りとでもいうものが得られます。世界を素描する力を自分のものにすることができるのです。

カラー版 西洋美術史

カラー版 西洋美術史

 

 服飾や建築あたりもこのへんがわからないと難しいんじゃないかなとおもうので、美術史自体はちゃらっとおさえておくと便利と繰り返しておきます。

 

④モデルにする時代や場所があったら、そこの土地時代に関する本(政治経済法律日記等)を読みまくる

たとえばわたしはルネサンス時代イタリアをよく使うのですがこういう感じ。

フィレンツェ (講談社学術文庫)

フィレンツェ (講談社学術文庫)

 

 概説本。

さらに当時の一次資料としての日記。

ランドゥッチの日記―ルネサンス一商人の覚え書

ランドゥッチの日記―ルネサンス一商人の覚え書

 

 

君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)

 

 

 

捨児たちのルネッサンス―15世紀イタリアの捨児養育院と都市・農村

捨児たちのルネッサンス―15世紀イタリアの捨児養育院と都市・農村

 

じっさいは一本の小説を書くのに3ケタの本を読みます。

短編でも少なくとも50冊くらいは読んでるとおもう。

ファンタジーだと科学との折り合いがありますが、医学とかそういうのも。

衣食住、ひとが関わるものすべて、戦争とか犯罪とかもそうでしょう。

 

 ⑤モデルにする土地に行く、むずかしいなら美術展を見る

言語化するのに、もともと言葉をあつかうのが得意なひとは行ってみてきたらそれですむかもしれない。なんとなく。

新しい世界に触れるってこと自体が、「世界の見方を刷新する」ことだから。

 

以上!!!

 

旅行したいね~~~~~(←オチはここだぞ☆)

叉似刃(CYBER)本丸琴弾之記十五 牡丹と歌仙さんと「少将滋幹の母」、或いは慈悲の聖母メモ

今日は牡丹と歌仙さんについてのメモおいておくね☆

 

 

 

florentine.hatenablog.com

florentine.hatenablog.com

 

これ加工なしで色とんじゃったというのかなんというのか、でも、面白かったのでよろこんでのせておくw

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豪奢で、重苦しい、息苦しい花だとおもうのね。

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さきに、慈悲の聖母ネタを。

 

 

ペスト流行期の慈悲 : <慈悲の聖母>のイコノロジー

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/154646/1/hes_20_27.pdf

 

 

ペスト後のイタリア絵画―14世紀中頃のフィレンツェとシェナの芸術・宗教・社 (UL双書 30)

ペスト後のイタリア絵画―14世紀中頃のフィレンツェとシェナの芸術・宗教・社 (UL双書 30)

 

 

 

 

とうらぶ二次創作もおいておくね♡(へし歌さんですよ!)

 

なにしろ歌仙の外套は、そのうちがわに跪くものたちを守る《慈悲ミゼリコルディアの聖母》のそれに似ていた。青い服は天上を、または海を、純潔をあらわすとも言われている。赤は血の色を意味し、愛や救済のしるしだとも教わったこの本丸の主にだ。

(略)

「私のマントは大きく、私の慈悲も広いのです。幸福なことに慈悲を求めたものは誰であれ拒まないほどに慈悲を探しているものは誰であれ私の慈悲の胸のもとで庇護し、守るでしょう」

www.pixiv.net

 

 

 

 

 

 

少将滋幹の母 (新潮文庫)

少将滋幹の母 (新潮文庫)

 

 

少将滋幹の母

少将滋幹の母

 

 

谷崎潤一郎全集 - 第二十一巻

谷崎潤一郎全集 - 第二十一巻

 

 

わたし、谷崎で一番好きなのこれかも。うん。

母恋のはなしはうつくしいのよ、これとか女の側が語られないの、たまらん。

ひみつこそがうつくしい。

しかも手に入らない、入ったとしてもそれは聖なるもののまま。

あ、あと、こういう母恋のはなしで偉そうなオトコのどうしようもなさがあらわになるところとか、けっきょくあまり威張らない弱い男が可愛い、または体裁を取り繕うとしてとりつくることのできない男の滑稽さとか、そういうのも生々しくて好き。

(うちの長谷部さんは野郎ジェンダー高めなのです)

 

あ、あとこれも

www.chisen.co.jp

読まなきゃ!

 

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展他行ってきたよん♪

あと10日チョットでおしまいなので、慌てていってきたよ~ん! 

www.nmwa.go.jp

東京新聞:聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画

 

東京新聞:聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画(TOKYO Web)

(あとで読む用)

www.tokyo-np.co.jp

これは読み物です。あとでじっくり読む。

www.museum.or.jp

こちらは取材記事。

それから、これが作品リスト・

http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/pdf/meckenem_list.pdf

 

世俗主題も面白かったというか、あれだね、その後のネーデルランド絵画のなかにこういうものが組み込まれていくのだなあとおもったり。

じぶんのメインは〈受難伝〉だったはずなのですが、わりと見入ってたのは俗っぽいほうだったな、やはし、あれですね、色恋や金銭のネタは面白いよねw

北方ルネサンスのひとたちの官能性て、ていうことばかり考えてみてたのですが、

いや、なんかね、肉体の美とか顔面の美とか、そういうのをどう考えてたのかなあって。リアリズムという捉え方なのか、う~ん、まあ、いいや。

オーナメント(装飾)はどれもこれも美しかったです。

 

それと、わたし北方ルネサンスは全然詳しくないので、ちょっとずつ勉強したいなとこのへんはっときますね。

デューラー『メレンコリア1』―解釈の迷宮 (作品とコンテクスト)

デューラー『メレンコリア1』―解釈の迷宮 (作品とコンテクスト)

 

 

 

自伝と書簡 (岩波文庫)

自伝と書簡 (岩波文庫)

 

 

 

デューラー ネーデルラント旅日記 (岩波文庫)

デューラー ネーデルラント旅日記 (岩波文庫)

 

 

アルブレヒト・デューラー―生涯と芸術

アルブレヒト・デューラー―生涯と芸術

 

 


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(写真が下手くそなのはデフォなのでゆるして~ん><)

 

あとは、こちら!

ル・コルビュジエと無限成長美術館―その理念を知ろう―」


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www.nmwa.go.jp

無限成長美術館というそれがもうかっこよすぎで、たまらんかったです。

あと、展示会場で紹介されたその当初の姿とか、あと、あと、ほんとはね、美術館だけじゃなくて劇場とかの提案もあったんだって!!!!

でも日本政府にお金がなくて美術館だけになったってところで、わたしの前で見てたカップルさんの肩がふたりしてガクーンて落ちたのがwww

わたしもガックリしましたが、あれは、うん、そうだよね、お金あったらよかったよね。

上野の西洋美術館はわたしの第二のお庭みたいなところというか、あそこで育ててもらったと大袈裟に言いたい、言う!

 
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www.art-annual.jp

てことで、土曜も夜やってるよ~~~~~!!!!!

歓びの野をつづれ織る12 爵位順で偉さが決まるわけじゃない難しさとか紋章とか

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/

外伝をひとつアップしてきたのですがすでに読まれてるかたも多いかなあと。

さて、今日は爵位とか。

よく知られているように「公、侯、伯、子、男爵」というのは明治期の日本に輸入されたもので、じっさいのヨーロッパ史だと、これ、ヒジョーにめんどくさいんですよ、ていうおはなしを。


ちなみに、作中でいうとヴジョー伯爵家が皇帝に次いでエライ、というあたりは、読むひとがよむと、
「あーこのひと、西欧史大好きなんだろうなw」てほくそ笑むパターンです。

(現実世界でも、平気で「エルサレム王」とか出てくるからねw ぶんどってもいないのに!)

それから、帯剣騎士と法服騎士についても頭にはいってないと、
「貴族階級」というのがなんなのか、そも、わからなくなる。

もっといえば、そも騎士とは何ぞ、
馬持ちの騎士というのがどこから来たのか、
ていうはなしをしだすと、ローマ帝国のあたりに遡ってイロイロ話し出すひとたちがいるのが、西欧史のめんどくさいところで、
まあでも、
そのめんどくささが、たとえば西欧歴史風SFファンタジーといえ、多少なりとも「歴史」とついているからには、その醍醐味だとおもってます☆

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おはなしでは黒死病の猛威が続いてますが、
爵位とか王様についての、またわたしのぼんやり話を。

幼稚園くらいまで王様がいちばん偉い、爵位はその順番どおりにエライって単純におもってたので(絶対王政の悪影響といってみるw)、小学生くらいでちょっと難しい本を読むと、あ、待て、どっちが「偉い」のかは歴史的な背景があるのかってことがようやくわかるようになります(武力や領土の問題じゃないところでのはなし)。

中世ヨーロッパ史というのを小学生がどこまで理解できているのかという問題はさておき、
たとえばパリ伯はフランス王であるけれど、パリのほうが南に比べて偉くない時代があったということへの想像や理解が及ぶようになるのがどうにか十歳をこえたくらいで(フランスという国の歴史的な流れがワカラナイとそのへんぴんとこないですよね)、

つまり家にあったタイムライフ社の人間世界史を読んでなんとなくやっとそのへんがわかったのでした、というか、わたしの歴史的な基礎知識はすべてあそこで覚えたので(小学生の記憶力なので意外にツカエルw)、

ライフ人間世界史〈第3〉蛮族の侵入 (1969年)

ライフ人間世界史〈第3〉蛮族の侵入 (1969年)

 

 

ライフ人間世界史〈第4〉信仰の時代 (1967年)

ライフ人間世界史〈第4〉信仰の時代 (1967年)

 

 

ライフ人間世界史〈第9〉王政の時代 (1968年)

ライフ人間世界史〈第9〉王政の時代 (1968年)

 

 歴史物って説としては古くなってしまったりしますが、

わたし、このシリーズには大変お世話になったので、うん。

 

昭和30年代くらいの全集ブームはありがたいものでしたよ、その恩恵にあずかれる時代に幼少期を過ごしたわたしは大きな声でそう言います。

ブンカシホンっすからね。あえて片仮名で書きますが。

贅沢で大きな、美しい本がたくさん作られた時代。

 

まあ、それはさておき、

エライえらくないって、どういう基準だってはなしもあるんですが、そこを言いはじめると大変なことになりますな。
よって、
エリゼ公国が舞台なのに、エリゼ公爵よりもヴジョー伯爵のほうが「偉い」っていう妙なはなし(しかしかなり現実的ではある)を書いてしまうというのが、じぶんらしさかなあ、と。

中学生くらいのわたしの憧れの職業は「紋章官」でした。

紋章の歴史―ヨーロッパの色とかたち (「知の再発見」双書)

紋章の歴史―ヨーロッパの色とかたち (「知の再発見」双書)

 

 

紋章学辞典

紋章学辞典

 

ついでに、

日本の、紋章上絵師についても。

家紋の話―上絵師が語る紋章の美 (新潮選書)

家紋の話―上絵師が語る紋章の美 (新潮選書)

 

 

折鶴 (文春文庫)

折鶴 (文春文庫)

 

 (このへんはまた、いつか語りますね。わたし、元呉服業OLなのでw)


ちなみに、

貴族になるならもちろん「伝説付の帯剣貴族(たとえばリュジャニャン家)」だろ! といつも思ってましたw 
ジャン・ジュネと心情が似てて笑えますw(オチはここっすよv)

恋する虜―パレスチナへの旅

恋する虜―パレスチナへの旅

 

 (リュジャニャン家のおはなしは本当に美しいですよねえ、しかもだって、ジュネにとってはいなくなってしまった美貌の、しかもひとならざる母親の物語だもの。うん)

 

by florentine(磯崎愛) 2012/12/30 19:24:23
(加筆修正あり)

歓びの野をつづれ織る8――ブルゴーニュ公国ディジョンのことなど

歓びの野は死の色す https://novel18.syosetu.com/n5403bl/

主人公エリス姫のモデルその三はもっとあとでおはなししたほうが都合上よさそうなので
今日はなんのはなしをしよう?

 

うーん、オルフェ殿下が出てきたから、じゃあエリゼ公国の首都のモデルとなった街の様子でも少し。

 

 

ディジョンDijon)は、フランス中部に位置する都市。ブルゴーニュ地域圏首府コート=ドール県県庁所在地である。かつてはブルゴーニュ公国の首都であった。マスタードの生産地として知られる。

 

ディジョン - Wikipedia

 

jp.rendezvousenfrance.com

 

 

www.youtube.com



いいところですよー☆ 食べ物美味しいし葡萄酒おいしいし!
しょっぱなでおはなししたように、わたしはホイジンガではほもるーでんすより『中世の秋』のが面白かったひとなのでする。

(なんどでもはるよw)

中世の秋〈1〉 (中公クラシックス)

中世の秋〈1〉 (中公クラシックス)

 

 

さて、ディジョンの町の様子など。

 

Album de cartes postales anciennes de Dijon

ディジョンの古いポストカードのアルバム。

 

Dijon en 1900

1900年のディジョン


昔ながらの三角屋根の家も残っています、そして教会も古いものがしっかりとある。
そしてなによりも美術館でしょうか、コレクションはもちろん、宮殿だった建物も素晴らしいので是非お時間とってご覧になっていただきたい!

 

ディジョン美術館

 

musée des beaux-arts dijon

公式サイト

Collections | musée des beaux-arts dijon

(わざわざコレクションの頁をはっておくね!!!!)

 


それとシャンモル修道院
《モーゼの井戸》

シャンモル修道院 - Wikipedia


も!
(あああ、これ、これ、ねえ 小説かこうとおもってたんだけどこれも保留されてますな、うううう 涙)

 

クラウス・スリューテルについてはこれで知ってるひとおいででしょうか。

ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (上) (岩波文庫)

ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (上) (岩波文庫)

 

 

ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (下) (岩波文庫)

ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (下) (岩波文庫)

 

エミール・マール、中世美術のはなししてたらまず出てきますよね。

 

 

クラウス・スリューテル (Claus Sluter(1340頃 - 1405年/1406年))は、ハールレム出身[1]オランダ人彫刻家[2]。美術史上、当時の北ヨーロッパでもっとも重要な彫刻家で、次世代のヤン・ファン・エイクらが完成させた初期フランドル派による「北方写実主義」の先駆者と見なされている。

スリューテルはブルゴーニュ公国の首都がディジョンに遷都する以前のブリュッセルで、1385年から1389年にかけてジャン・デ・マルヴィルの助手として、そしてブルゴーニュ公フィリップ2世の宮廷彫刻家として活躍した。1389年から死去するまで宮廷彫刻家兼大公の近侍 (en:valet de chambre) の地位にあり、死後その地位は甥に引き継がれた。

 

クラウス・スリューテル - Wikipedia

 

 
ちなみに、『歓びの野は死の色す』の後のほうで棺彫刻を出してますので、ちらと頭にいれておいていただけると嬉しいです。
そして、
公国といえば金羊毛騎士団のはなしとかもしたいのですが、この小説では黒衣の騎士にすりかわってるのですな。

 

あ、こんなの見つけたのではっておきます。

ci.nii.ac.jp


さらにさらに、
ブルゴーニュのひとたちの前で(わたしの観測範囲においては)、フランスというとパリだ、みたいなことを口走ると恐ろしいことになるということだけおぼえておいてください、もうむちゃくちゃプライド高い!(たぶんこの土地のひとだけじゃなくて、その地方地方でいまでもそうだとおもうけど)。
じっさいフランスが中央集権国家として成立してくまでは、つまり統一という名で征服されるまではナントカ公国とかって名のつく国が各地にあって、言葉も微妙にちがってたわけで、ていうあたりはこのはなしの後半のほうでちろっと触れますけど、ええ。
ディジョンにいって、そのへんの感じがおはなしじゃなくて肌身で知れてよかったなあと思います
by florentine(磯崎愛) 2012/12/26 18:45:34