がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美 」展が楽しみすぎて!

ボッティチェリルネサンス フィレンツェの富と美 | 展覧会
Bunkamuraザ・ミュージアム(東京)
会  期 2015年3月21日(土・祝)〜6月28日(日)
*4月13日(月)と4月20日(月)のみ休館
開館時間 10:00〜19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)

 

もうちょっとですね。ほんっとおおおおに、すっごく楽しみです!

お恥ずかしながら、卒論このひとで書いたものですから。

去年から今年にかけて都内でたくさんのサンドロ作品(工房含む)やフィレンツェ芸術作品を拝む(おがむ、ですよ!!)ことができて、わたし、ほんとうに本当に幸せです!!!

 

ボッティチェリというひとがどういうひとかというと、まずはきっと《春》と《ヴィーナスの誕生》の画家というのがもっとも通じやすいでしょう。

そうでないふうに言うとすれば、あとであげます辻邦生さんの『春の戴冠』という小説のとおり、わたしにとってはこのひとこそが、あの美しいフィレンツェという街の「魂の体現者」、その「象徴」であったのではないか、というふうに感じています。

彼は修業時代にプラートという街に、またピサにもほんの短期間いったりした様子もないわけではないのですが、招かれていったローマを抜いてはその一生のほとんどをフィレンツェという土地で過ごします。

いや、本人はどこかよそに行きたいという気持ちは実のところもってたようなんですが。図らずも、そう、なってしまったのですね。

レオナルドもミケランジェロも長いことフィレンツェを離れたというのに、彼はそこで生まれ、絵を描き、その街で亡くなりました。お墓も当然、フィレンツェにあります。

ルネサンスという、人類史上もっとも美しいとおもわれる文化芸術の花が咲いたのは、花の名前そのもののフィレンツェです。けれどその結実はそこになく、おそらくはローマ、その他の土地でつぎつぎと実を結びました。

わたしは、いつもそのことをおもいます。

というわけで、

展覧会のタイトル自体がまさにそれを思わせるものでしたので、

じぶん自身の予習と復習をかねて、手に入りやすくて読みやすいものから、ちょっと変わったのまで、おいときますね。

 

さて、まずさいしょはこの本です。

もっと知りたいボッティチェッリ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいボッティチェッリ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 先日東京都美術館での講演会をお聞きしてとても面白くて素晴らしかった!!!

あとでご紹介する、全作品の著者でもいらっしゃいます。

それから、こんなのもありますよ。

図説ボッティチェリの都フィレンツェ

図説ボッティチェリの都フィレンツェ

 

 たぶん、手に取りやすいのがこれかなあ。写真きれいで、フィレンツェガイドとしてもいいです。

ボッティチェリ (イタリア・ルネサンスの巨匠たち―フィレンツェの美神)

ボッティチェリ (イタリア・ルネサンスの巨匠たち―フィレンツェの美神)

 

 絶版じゃないとおもうんだけど、画集です。この東京書籍さんのシリーズはおうちにあってもさほどかさばらず、おすすめ。

ボッティチェッリ NBS-J (タッシェン・ニューベーシック・アートシリーズ)

ボッティチェッリ NBS-J (タッシェン・ニューベーシック・アートシリーズ)

 

 タッシェンも美術系の本屋さんならあるんじゃないかと期待。

それから、あとでまた言いますが、原寸があるのと高階先生が文章かいてるのでこれもおすすめです。

 それと、これ、専門書ですが制作年代が他の研究者とちがってて、興味深かったです!(個人的に同意はしないのだけど、でも)

ボッティチェリ「プリマヴェーラ」―ヴィーナスの園としてのフィレンツェ (作品とコンテクスト)

ボッティチェリ「プリマヴェーラ」―ヴィーナスの園としてのフィレンツェ (作品とコンテクスト)

 

 この本自体、フィレンツェという都市の見方としては面白かったかな。

あ、あと、古本屋さんででも見つけたら是非。

 どこかにあったら、これおすすめですね、はい。

ないとおもうけど。。。

それとこのへんもたぶん、ナイとおもうのだが、うん。

 これは、あるかな?

ボッティチェッリと花の都フィレンツェ (おはなし名画シリーズ)

ボッティチェッリと花の都フィレンツェ (おはなし名画シリーズ)

 

それと、これはあるだろうというのもあげておきますよ!

これは新しいから、ね。

ボッティチェリ 春の祭典 (イメージの森のなかへ)

ボッティチェリ 春の祭典 (イメージの森のなかへ)

 

 専門知識が要らない、という点ではこれもありかなあ。

学校の図書館とかにあるといいかんじです。お子様へのプレゼントとかにはこういうのがいいかも。

あと、これもそういう意味ではとてもイイ本です。

原寸美術館 画家の手もとに迫る

原寸美術館 画家の手もとに迫る

 

 この表紙が、もう、ね!!!

(わたしがどれほどサンドロのこのサンダルに憧れているかは、何度も語りすぎてキモイので今日は割愛しますがw)

それからこの本とかも。

サンドロのヴィーナスメインではありませんでしたが。

裸体画とヴィーナスについて等にご興味あるかたは面白いのでは?

ヴィーナス・メタモルフォーシス―国立西洋美術館『ウルビーノのヴィーナス展』講演録

ヴィーナス・メタモルフォーシス―国立西洋美術館『ウルビーノのヴィーナス展』講演録

 

 そして、

美術史というか、「見る」ということがどういうことなのか知りたい向きにはこちらも強烈にプッシュ!

『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待 (理想の教室)

『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待 (理想の教室)

 

岡田温司先生のご本はほんとどれよんでも刺激充分です。

あとは画集じゃなくて、ちょっと変わった本が読みたい向きにはこちらを絶賛おすすめです。

ヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷

ヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷

 

 残酷で、エロティックで、とても美しい本。

ちまたではGDHなどと略されるジョルジュ・ディディ=ユベルマン、わたしが初めて読んだの、これかなあ。なにこれ凄い大好きってなりました。

さらには、

正統派(?)でしたら、やはりこれ、でしょうね。

 これ何度もなんども読んでるんですけど、

読むたびに、ヴァールブルク、なんていうひとでしょうなんていうひとでしょう、どういうことオソロシイ、なにこれ、どういうこと? ここにその後の何もかも全てあるじゃないの、どういうこと? なんて恐ろしい! て怖い気持ちになれます。処女作はうんたらみたいなはなし、あるじゃないですか? あれの底深さを体感できるので、そういう意味でもおすすめかも。

そして、この本は、ヴァールブルクのそれに限らず、その後のサンドロ研究という点でも深遠なものを感じられるので(←いや、わたし研究者じゃないからよくわからんけどねw)

それと、こういうのもあります。

ボッティチェリ

ボッティチェリ

 

 これ、英語版をもってるのだが。。。ははは。

ということで、

どうせなので、あげておきませう。

日本が誇る矢代幸雄。ライトボーンの著書ではイロイロ書かれてましたがでも、わたし、このひとがいうところのサンドロがいちばん自分のおもうそれなのです。

サンドロ・ボッティチェルリ (1977年)

サンドロ・ボッティチェルリ (1977年)

 

そして、摩寿意先生のご本がないので、お名前だけ貼っておきます。

 

摩寿意善郎 - Wikipedia

 

前もかいたけど、辻邦生さんの『春の戴冠』のサンドロは摩寿意先生説。

春の戴冠〈1〉 (中公文庫)

春の戴冠〈1〉 (中公文庫)

 

 えーと、

すごくぶっちゃけちゃうと、たぶん、この上下にある本たちを読むより、この『春の戴冠』全三冊を読むほうが、おそらくサンドロ・ボッティチェッリというひとと当時のフィレンツェについて理解するの楽、かもしれないです。ほら、小説だから。

しかも、美術史を勉強した方ではご存じの方も多いでしょうが、辻さんの奥さまは辻佐保子さんという美術史家です。

そして辻邦生さん自身、たしかパリの図書館で見られるかぎりの資料はすべて読んだとおっしゃってますし、うん。

なので、絶賛おすすめです!

でもって、

オチはこれだ!

ボッティチェッリ全作品

ボッティチェッリ全作品

 

 もってるのよ、うん、

わたしってば、ほんとにもーねー。はははははw

 

それから、

いちおううえで辻さんの小説をおすすめしておきましたが、

ルネサンスとは何かとか、フィレンツェとは何か、ていうはなしを知りたい向きには、いきなりブルクハルトの『イタリア・ルネサンスの文化 (上) (中公文庫)』『イタリア・ルネサンスの文化 (下) (中公文庫)』を読むのはハードル高いとおもいますので(いや、読むと面白いですけどね。ていうかわたし、新訳よんでないって何度言っただろうw)

ルネサンスとは何であったのか (新潮文庫)

ルネサンスとは何であったのか (新潮文庫)

 

 やっぱり読ませる、という意味ではもう、塩野さん凄いですよ。

文庫ですし、さらっと最初に読むにはおすすめです。

ペンブックス18 ルネサンスとは何か。 (Pen BOOKS)

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あと、こういうのとか。手に取りやすいですし、こういうところから入るのがイイんじゃないかなあ。

それと、これもおうちにあってもいいかも。受験生のお子さんとかいるお宅は。

世界の歴史〈16〉ルネサンスと地中海 (中公文庫)

世界の歴史〈16〉ルネサンスと地中海 (中公文庫)

 

 それから、このへんか。

文庫ですから、通勤のお供でもいいかも。古いのでいろいろと現代の研究とはズレが出てるところもあるかもしれませんが、ともかくおさえておくのにはこういう本が便利かなあと。

世界の歴史〈12〉ルネサンス (河出文庫)

世界の歴史〈12〉ルネサンス (河出文庫)

 

 そして、

個人的に大学生くらいだったら、これらの本がいいかなあと。

わたしの思い出の本でもある。

フィレンツェ―初期ルネサンス美術の運命 (中公新書 (118))

フィレンツェ―初期ルネサンス美術の運命 (中公新書 (118))

 

 

ルネッサンスの光と闇―芸術と精神風土 (中公文庫)

ルネッサンスの光と闇―芸術と精神風土 (中公文庫)

 

 

 この三冊は強力プッシュしておきますよ!!!

高階先生のご本は、まず日本語がとても美しい。明晰ですし、ほんとに名文だと思われます。

あとは、これ、か。

フィレンツェ (講談社学術文庫)

フィレンツェ (講談社学術文庫)

 

若桑先生のご本も大好きです。

 あと、ガイド本として。

フィレンツェ美術散歩 (とんぼの本)

フィレンツェ美術散歩 (とんぼの本)

 

 というかんじで、

あんまり専門的なのをあげて書けるだけのなにかもないので、このへんで。

フィレンツェ社会全般についてはもっと他の本をあげないといけないですしね)

 

あ、そうだ、

このへんも、おいときます。

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