※id:hebakudanさんのお名前に敬意を表して!
花「ねえねえ都ちゃん、なんで古典苦手なの?」
都「なんていうか堅苦しい・難しい・メンドチッイ気がするから?」
花「から?って、自分のことなのに疑問形〜(笑)」
都「花だって、この『神曲』よむのに難しい面倒くさい大変ってぼやいてたじゃないっ」
花「うん。だけど、堅苦しいとは言ってないのです〜。
たしかに『神曲』ってけっこう切ない話でもあるよね。でも、意外に「お笑いネタ」はあるのだな。
たとえばこの絵なんか、どう?
都「これのどこがお笑い? これ、両端は川だよね? ニンゲンが溺れてて、その頭を悪魔たちに突付きまわされてカワイソウじゃん!」
花「そう。そこは川といえば川だけど、正確にいうと煮えたぎる瀝青ね。ただの川より酷い(苦笑)。ちなみに突付かれてるひとたちは汚職収賄の徒なのだな。しかもダンテとヴェルギリウスともに不機嫌そうな顔してるもんね。あ、ダンテはお髭生えてない、垂れた帽子を頭に載せた襟つきのマントのひとね」
都「それは、わかる。貫禄なさそうだし、教科書で見た顔だもん」
花「教科書にのってたっけ? まあ、いいや。じゃあ、長髪で髭たらしてフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の円蓋みたいな帽子かぶって肩にストール巻いた風のマント羽織ってるのがヴェルギリウスだよ」
都「それもわかるって。ダンテと違って堂々として立派で偉そうだから」
花「だよね〜。ところで、この挿画は画面左上から右下に人物が動いていく物語上の時系列と、描き込みの多い左右とがX型に配置された構図の面白さっていうのもあると思う。まあ、それはおいて。
お笑いネタっていうのは、ココ。
画面右下、ダンテが不安そうに、まるでその身を守るように両腕で自分を抱いてヴェルギリウスに寄り添ってるよね。でもってヴェルギリウスが怯えたダンテをなだめるみたいに左腕をさしだして振り返る、その右隣に、長い鉤を左肩に担いだ悪魔がいるでしょ? その悪魔のお尻にご注目っ!!」
都「あ、これ、まさかっ」
花「そう、そうなのです!
ここで一発、屁爆弾〜〜〜〜〜〜!!」
都「あはは、ほんとだ。オカシ〜〜〜」
花「でしょ〜(笑)。ちなみに詩のほうは、こうなってる。
すると隊長の方は尻からラッパをぷっと鳴らした。(139行)
この部分は、第21歌最終行の、まさにその瞬間を描いてるってこと。
ね、「お笑いネタ」でしょ?」
都「へええええ。あ、駄洒落じゃないよっ」
花「(爆笑)」
都「花、笑いすぎっ! も〜う!!
あのさあ、まじめな話すると、ダンテって政争に敗れて失意のドン底で顰め面して『神曲』かいたのかと思ってた。陰気そうで敬遠してたとこもある。なのに、こういうユーモアのある場面も表現してるんだね」
花「そうなのよ。自分の敵は実名告白で地獄行き! みたいな過激な恨み節のとこもあるけど、笑えるネタもちゃんと描きこんでる。だから『神曲』って面白い! って思うんだあ」
都「食わず嫌いできたけど、なんか、興味でてきた気がする」
花「都ちゃん、嬉しいっ。わたしもちょっとずつ勉強してまたお話しするね」
都「うん!」
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※hebakudanさんへ
文字通り、「御笑覧」いただければ幸いです。
あんなふうに言ってくださってとても嬉しいです。
hebakudanさんにお楽しみいただけるような記事を書いて、ご回復をお待ちしておりますね。
※詩歌の引用と画像リンクは下記の通り(あとでまとめるかも、ですが。とりあえず)。
- 作者: ダンテ,Dante,平川祐弘
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