『夢のように、おりてくるもの』の「壁ドン」☆
今週のお題「さむい」
さむいのであったかくなるように、エロくて恥ずかしくてイタイはなしを!(←じぶんで書いて、痛くなくてもいい気がしたwww でも、エロさにはなんていうか痛々しさみたいなのがあったほうがしっくりするし、好き☆)
なんでこんなことを言い出したかというと、
コラボ花うさぎ(詳細はこちら→http://florentine.hatenablog.com/entry/00000101/1337431515 )の相方うささんが「壁ドン的な何かを」て呟いてたので。
壁ドン、思い出してみるとじぶんの書いてる長編だと必ず数度はある、ねw
なのに、ちっとも可愛くないのでごめんね。
壁ドンの「暴力性」が好き、ていうか、わたしの描きたいモノって究極的にいうと「生命現象としての暴力」だろうなあと、ジャン・ジュネ様の例の言葉を引くまでもなくずっと、考えている。
てことで、
第二部、茶髪くんに家まで押しかけられて寝込みを襲われる黒髪君の独白。
鍵を回す音で彼が退いた。そうしていったん引いたはずが、ほんの少し開いたところで扉に手がかかり物凄い勢いで押し開けられる。慌てた。さらに目が合うよりさきに鉄錆に似た臭いが襲いきて心臓が鳴った。
「怪我して」
続きは、相手の口のなかに文字通り飲み込まれた。焦ってドジ踏みました。転んだだけ。心配ない。囁きを拾いとろうとする頭を両手に挟まれて壁に押し付けられている。油断した。片手にはまだ携帯電話を握 り締めていたわたしに反撃の手はない。ほとんど身長が変わらない相手とこんな近くで接するのは初めてのことだった。その現実に驚いてすぐ雨のにおいに気を とられた。髪の先から零れ落ちた整髪料の香りに混じったそれが血のにおいを消した。むき出しの肘とあご、それと掌に擦過傷がある。血の出たままの
頤 に触れると痛がるように頭を引き、かわりにわたしの着ていた服に手をかけた。
あなた、プライド高すぎ。そういうとこがそそる。
そそると評されたのは人生初めてのことだったが、わたしとて言われっぱなし、否、やられっぱなしでいたわけではない。
泥臭い。
そう言って力いっぱい押しのけた。ふたりのあいだに僅かながら距離ができ、そこに空気が入りこんで初めて、互いのからだの熱を意識した。
じぶんで書いといてなんですが、
このあとに「おれを好きなのに逃げて」て言われちゃう黒髪君がイタ過ぎてもう、わらえない(涙目)。
このひとツンだけど、ウソつけないから「違う」とは言えないんだよねw
それから約十二年たって、
この間にイロイロあって、ていう茶髪くんの二人称(でいいのか??)。
そして今、あなたは始発にのって帰宅して玄関で立ち尽くしている。そこにある空虚に、おれがここを出ていく現実を目の前にして、身を凝らせているところだった。
シャワーを浴びたばかりのおれは頭にかけたタオル越しにそれを盗み見た。あなたはおれの視線にわずかに身じろぎした。緊張のためか怯えたような顔をしているあなたに近づいた。あなたは床に雫の落ちるのをみた。おれでなく。
おれでなく。
おかえり、と微笑んでみせた。あなたはただいまとこたえるのを躊躇い、玄関口においたままの荷物へと視線を投げて、その礼を述べようとした。おれはそれを許さず、あなたの手をひいてそのポケットから端末を奪った。そしてそれを開けながらたずねた。
「彼女と寝なかったの?」
あなたは不思議そうにおれをみた。何を言われているのかわかっていなかった。
「あのひとあなたにご執心だよね。でも相手が女性なら押し倒されることはないか」
ようやく侮辱されているのだと気がついたあなたはおれの手から端末を取りかえした。例のメールが保存されているか確認する時間はなかった。いや、あなた はおれがそれを確かめようとしたのに気がついた。何か言おうとしたあなたをおれは壁に押しつけてくちづけた。あなたは目を見開いて、おれを押しやった。け れどそれはたんなる抵抗でしかない。あなたはおれが何故こんなことをするのか知りたがり、けれどそれを吐き出していいものかわからずただ暴れた。つまり、 おれをほんとうに拒絶してはいなかった。あなたはおれたちふたりの距離がたんに離れるだけで、昨日のあれが別れ話ではないから今こうして肌を合わせようと しているのかもしれないと思いこもうとしていた。それくらい、おれがあなたを傷つけることはないと信じたがっていた。だからおれを殴ることも出来ずに、お れの口にする辱めに耐えて、たんにおれを煽るだけの抵抗をしてみせた。
いや、あなたはそんなふうにおれを煽ったわけではない。それはわかっていた。だからこそ、おれは言わなければならない。
「ほんとはあなたも欲しいくせに」第三部『夢の花綵(はなづな)』「夢うつつ夢うつつ」21
ここでアレですよ、「ほんとはあなたも欲しいくせに」て言われちゃうんだぜ、まったくもう!
てことで、
オチは、
黒髪君が常に必ずヘタレで、しかもムッツリ、ていうw
しかし、
これに限らず、
うささんの描く黒髪君の背中というのは、なんかこう、いつもさびしそうというかなんというか、背筋まっすぐ伸びてるのに隙があるあたりのアンバランスさがなんだかねえええええ(←うまく言語化できない感情が渦巻いているるるるるる~)
そして、何度もいうけど、「壁ドン」よりも「境界での攻防」が凄く好き、
だいたい玄関とか縁側とかでごしゃごしゃするw
でもって、気が向いたら『遍愛日記』の壁ドンもやるかもよん☆