え~と、3月にkindleで出した小説『夢詩壷』は、30代OLの深町姫香が主役の本と夢を巡るファンタジーです。
おかげさまでたくさん買っていただきまして本当にどうもありがとうございます!
それで、今日は小説の中で言及されている本の、脇役たちによる紹介です!
「はじめまして、このたび作者から作中の本の紹介を頼まれた来須美奈子と申します。
んで、相方をつとめてくださるのは龍村功先輩です」
「頼まれたわけじゃなくて脅されたっていうんだよ、ああいうのは」
「まあまあいいじゃないですか、わたしたち本編じゃ脇役扱いなんですから。ただの漫談ですし」
「主役にやらせろよ」
「先輩、それ、深町先輩の前で言えますかあ?」
「いえるさ。言うだけなら」
「ですよねえええええええええ」
「どうでもいいけど、俺も忙しいんだからさっさと始めるぞ」
「ハイ!
ではまずはじめはこちら、夢枕獏さんの『キマイラ』シリーズ。
「まずは、わたしの感想から言わせてもらうと、九十九サンがかっこいい! コウくん、美少年受けっぽい!」
「しょっぱなから腐女子発言してからに! 格闘シーンじゃないのかよ?」
「男子はソコがいいってわかりますけどぉ」
「キャラ立ってるのは事実だけどな」
「ですよねええ。『陰陽師』は読んでたけど、コレは知らなくって今回よんで、面白かったです」
「SF大賞の『上弦の月を食べる獅子』みたいな作品もあるかと思うと、『神々の山嶺』のような山岳小説もあるし、伝奇物も有名で、幅の広い作家だな」
「あ、わたし、深町先輩に貸してもらったコバルト文庫の『猫弾きのオルオラネ』が好きですぅ」
「ああ、あれはいいね。まさに、青春時代に読むべき本」
「ほんと、そうですよねえ。って、あれ? わたしたち、またぞろたくさん本のタイトルが出てきちゃいましたよっ。
次いきましょう、次!
続きましては、こちら。マイクル・クライトンの『ジュラシック・パーク』です」
『ジュラシック・パーク 上・下』(早川書房)マイクル・クライトン 酒井昭信訳
「深町先輩、恐竜好きですよねえ」
「イグアナ抱いてプロポーズしてくれる男がいたら結婚するとかほざいてたことあるよな」
「ああ、いってましたねえ。浅倉に教えてあげようかな」
「余計な事するなって」
「しませんけどお。深町先輩、恐竜の下敷きを嬉々として持ち歩いてましたよね。わたし、あのセンスが未だによくわからないんですよ」
「まあ、深町サンだから。
続いては、俺も好きなこの本」
「わたしも好きです。アルファベット26文字で語られる物語。一夜に一話、じっくりと読むのがイイかもしれないですね」
「俺はエスペラント語と望遠鏡の話が気に入った」
「あ、わかります。わたしはお父さんのお話と琥珀、かなあ。訳もすごくいいですよねえ。読書好きと自認する方にはほんとにおすすめです。
続いては、ヴェルヌの登場です。ご存知ネモ船長!」
「深町サン、好きそうだよね。岩波少年文庫系っていうの?」
「でもこれ、『執事萌え』じゃないですか?」
「俺に聞くなよ、俺に!」
「妹さん、腐女子だって聞いたんですけど」
「だから、俺は違うから!
けど、ヴェルヌ本人は謎の一生だからな」
「知ってます。『ジュール・ヴェルヌの暗号―レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社』って本を、深町先輩に教わったんで。子供のころはネモ船長の悲哀に目がいってたんですけど、今回は邪な自分を発見しちゃっただけです。お次もやっぱりヴェルヌです」
『80日間世界一周』(創元SF文庫)ジュール・ヴェルヌ 田辺貞之助訳
「映画になったりして有名な作品だよな」
「ですね。でもわたし、この主人公に感情移入できないまま読み進みんじゃったんですけど。なんだかでもやめられないんですよ」
「構造がしっかりしてるからじゃないか? 問題提起があって邪魔する人と応援する人がいて、お姫様は連れて帰ってくるし、最後はいちお、どんでん返しだし。物語の教本みたいだからな」
「なるほど。そういうことなんですね! ああ、なんか、学生の頃のこと、思い出してきた。龍村先輩がいると、この世の問題ってなんでもカンタンに片づく気がする」
「その認識はあらためたほうがいいと、俺は思うぞ」
「ああ、いいんですよ。言ってみただけなんで。
ええと、お次はパスカル・キニャールです。龍村先輩、好きじゃないですか?」
『シャンボールの階段』(早川書房)パスカル・キニャール 高橋啓訳
「俺、これはちょっとなあ」
「えええええ? 意外~。博覧強記で意地悪な作家だからてっきり好きかと思ったのに」
「欝病の女と主人公のうだうだがコワイんだよ」
「え? そんな話でしたっけ?」
「ああ、俺的にはそうなるっていうだけで、アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞するような作家に文句つけようって話しじゃないよ、ただまあ、他の本のほうが好みかな」
「ああ、同じ小説家でも、作品によって好き嫌いが変わることはありますよね。うん、それはわかります。わたしはこの本、細部も全体も緻密稠密に作られててすごく気持ちよかったですね。深町先輩好きそうな文学だなって」
「だな。次は、俺もこの作家の中では好きな作品」
「入れ子構造が素晴らしいんですよね。この「梔子姫」の美しさったらホント、乱歩も悔しがりそうな猟奇的エロティシズムと切なさです」
「うん、あれは絶品だと思うし、キャラがまた乱歩好みで読んでて笑える」
「そうそう、美青年キャラとか怪しげな人妻とか」
「さすが、というところだろうな」
「ですねえ」
「ところでさ、今日はここでおしまいにしないか?」
「え、まだ半分もいってないですよ?」
「いや、実はさあ、妹が夕飯つくって待ってるんだよ」
「あいかわらずシスコンなんですから。もう、じゃあ仕方ないですね。
今日はここまで!」
「じゃあまた!」
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作者:(近いうちにがんばります。。。)
あ、拙作を買っていただいたりkindleUnlimitedで無料で読んでもらえると、僕の医療費になります(いやもうさあ、難病疑いだから何の補助もないのよ、全身症状だから医療費けっこうな金額になるのに。無職なのに月に2~3万円かかったりするのさ、つらい)
あと、ここから本を買っていただいても僕の資料代になるので、どうぞよろしくお願いいたします!