ヘリオガバルスまたは戴冠せるアナーキスト (白水Uブックス)
- 作者: アントナン・アルトー,多田智満子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1989/06
- メディア: 新書
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先日の『アルブキウス』から「ローマ熱(笑)」に冒されたらしく、うえの書物を再読。
薔薇の香りの葡萄酒を飲み干しすぎて血の河になっちゃいそう、だなどとハイクでほざいてみたりしてご満悦なり☆
ちなみに。
この本の訳者後書にて紹介される『性と畏怖』(はまぞうで洋書が英訳本しか出なかった><)が無茶苦茶面白そうでタマランです。
たぶん、フーコー以降、もっとも重要な「性と権力(ていうか純然たるチカラと書いたほうがいいのかもしれない)」についての書物になるんじゃないかと勝手にここで憶測してみたり。
そういえば。
昔、熱烈にカエサルになりたいと思っていた。今はさほどでもないのだが、それでも憧憬の念は余りある。
「理想の男」というものいいは安易すぎるが、まあ、そんなところだ。しかも慌ててつけたすが、わたしが女性で異性愛者であるか否かだなんて関係なくて、自身がオトコであれオンナであれ何であれ、存在自体がカッコイイと思えたからだ。
黄金の甲冑を身にまとい真紅のマント翻し先陣きって戦うヒロイズムに酔うだけでなく、とりもなおさずその文章がやたらめったらカッコイイのである。しかも、最愛の女性(という噂だよね?)のムスコに殺されるのだ。笑える。
「落ち」まで最高(え? サイコーじゃないですか? 愛する女に殺されるのは中世風のロマンチシズムに流れすぎだし。政敵の手にかかり、だとつまんないし。じぶんの息子じゃないけど、息子になりえたかもしれないオトコに刺されるってとこがなんとも色っぽいなあと。可愛げがあるというか)。
いまカエサルになりたいという気持ちがないのは、たんに「自分自身」になりたいと思えるようになったからにすぎない。カエサルの「かっこよさ」が減じたわけではないと思う。
- 作者: カエサル,近山金次
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1964/01
- メディア: 文庫
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家にあったのはコレかな?
『内乱記』は未読なのでいつかそっちも。
そしてここでおもむろに、長年の疑問というかなんというかを披露する。
『アルブキウス』内でも言及があるのだが、
カエサルもアルブキウスも禿頭であった*1。
さらには、パスカル・キニャールも。
なんか、こういうところに親近感なり何なりを抱いたりするのかしら? と。
殿方に、いつかこっそりお尋ねしたいものです。
それはさておき。
『アルブキウス』の格言を記す。
別の場所でも書いたのだが、何度でも書く*2。
キニャールが「私はこの取りつく島もない格言が大好きで、座右の銘にしている」と言う、それを。
人は自分の言っていることがわからない、人は自分のしていることがわからない
これは至言。
然り、としかこたえようがない。
わたしは、こういう言葉を紡ぐひとの書物を愛する。
さて、
次は20年ぶりくらいにこのへんに行っちゃおうかなあっと(多田智満子訳だいしゅき〜!)。
- 作者: マルグリット・ユルスナール,多田智満子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 単行本
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