がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

去年ようやく『自発的隷従論』を読んだので、「ラ・ボエシーの死 : 『エセー』の原点」も読んだ

 BL好き、ブロマンス好きにはたまらないとおもうので。
はてなハイクにおいておいたら、案の定、コラボ花うさぎ相方のうささんが大喜びしてたので、ここにも置いておきます。

ラ・ボエシーの死 : 『エセー』の原点 

石井忠厚

https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=5842&item_no=1&page_id=13&block_id=83

べたなBLよりも凄いのですごいとしかいいようがない
 

 とかいいながら、

ちょうど、いまの一連の事件とリンクしてるなあというのもあったので。

ラ・ボエシというひとはフランスの宗教戦争の時代のひとなのだ。

人文系の学問、その素養、教養をもって仕事とすること、というのはこういうことだとおもうのだよね、ていう。

いちお、モンテーニュさんもはっておくよ。

エセー〈1〉

エセー〈1〉

 

 宮下氏の講演をいちどだけお聴きしたことがある。

モンテーニュのある一文を巡るおはなしにムチャクチャ興奮したものだ。

講演自体、すごく、すごーーーーーーーくよかった。忘れない、ずっと忘れないって思ったのでそのことだけ書いておく。

 

以下は昨年クランチマガジンさんに書いた記事。

(今月末でほとんどの作品をあちらからさげますので、もしよかったら今のうちにEPUBでおとりおきください。こちらのブログに移行できるかどうかわからないので)

 
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『自発的隷従論』をよんだよん☆
 
モンテーニュの親友であるエティエンヌ・ド・ラ・ボエシが16歳だか18歳だかで書いた本。
これが文庫で出るってネットで知った当時から読むぞと意気込んでたのですが、ようやく読んだ。

『自発的隷従論』
なぜみずから屈し圧政を支えるのか。支配・被支配構造の本質を喝破した古典的名著。シモーヌ・ヴェイユが本作と重ねて20世紀の全体主義について論じた小 論と、政治人類学者ピエール・クラストルが本作をベースに「国家に抗する社会」としての未開社会を分析した論考を併録する。
この本の目次

自発的隷従論(一者支配の不幸
多数者が一者に隷従する不思議
自由への欲求が勇気を与える
自由はただ欲すれば得られる
民衆は隷従を甘受している ほか)
付論(服従と自由についての省察シモーヌ・ヴェイユ
自由、災難、名づけえぬ存在(ピエール・クラストル))


筑摩書房 自発的隷従論 / エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ 著, 西谷 修 著, 山上 浩嗣 著

 

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

 

 

シモーヌ・ヴェイユの『服従と自由についての省察』がついてるあたりでどんな本なのか想像しやすいかもしれない。

むずかしいことは解題等を読んでいただくことにして、
わたしが「おおおおお!!!」と色めき立ったのはロンサール他、当時の詩人たちの名前が出てきたところ。しかも、「ラ・ボエシがオルレアンの学生だったこ ろ、すでにそれらの詩作品を知っていて」て訳注にあるのが、すごく愉しい。つまり、まだ世に名高くはなかったプレイアード派の詩人たちの作品を、当時学生 だったラ・ボエシはもう知っていてその才気を褒め称えたっていうのだとしたら、それはものすごくカッコイイなあって(と書くとおり、むろん後から書き足し たという説もある。ていうところとかにすぐ注目しちゃうのは物書きの性でしょうなw)。

 

ロンサール詩集 (岩波文庫)

ロンサール詩集 (岩波文庫)

 

 


そうそう、
これを一番に言わないと。
なんかさー、よみながらおもったんだけどさー、
会社、いわゆる組織の派閥争いとか、事なかれ主義、お追従、贔屓の引き倒し、なんかアルよね、こういうのってw て感じでした、ははは。
社畜なじぶんが悲しくなるねwww

「国家」って、
「権力」って、
そしてなによりも「自由」て、
ほんと、なんだろうね?

あと、
ラ・ボエシというひとが大学できっとものすごく勉強して(当たり前だけどw)、社会というものへ出ていき、国王へ仕え(ボルドー高等法院でモンテーニュの 同僚となり、てあたりはモエる!!!)、宗教戦争という大変な時期に「宥和政策」を支持し、その知恵と力を文字通り使い尽くして生き抜いた(そして早世!  32歳!!)、ていうのがもう、ね。
もう、ね!!!

実学」てさー、こういうのをいうんだよねーって。
こういうひとが、世のため人のためになるんじゃん、ねーって。
ホメロスからアウグスティヌスといった古典から同時代の、まだ世間にはさほど知られてない詩人から、読んでて、ていう、さー。
(いやべつに、世のため人のためにならなくてもイイんだけどさw 人材とかなんとかって、こういうひとのこと言うんじゃないの、ておもったから書いておく)
(まあ、いわくつきの書物で、革命扇動の書としてとらえられたりもしたんだけどね、そりゃそうだろ、と思いながらも色々かんがえた。そしてまさに、現代的な意味で「社畜」にはキツイ本かもしらんよ、うん。経済社会の奴隷だよなーって)

わたし、勉強、もっとちゃんとしないとねw
そういうことをしみじみ思いましたまる。

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ここから下は、

ここさいきん思い出していた本のうち幾冊か置いておきます。

すでに、ジュネの本についてはもうこのブログで並べたので。

フランス・ルネサンスの人々 (岩波文庫)

フランス・ルネサンスの人々 (岩波文庫)

 

 

応答する力 来るべき言葉たちへ

応答する力 来るべき言葉たちへ

 

 

彼女の「正しい」名前とは何か―第三世界フェミニズムの思想

彼女の「正しい」名前とは何か―第三世界フェミニズムの思想

 

 

アラブ、祈りとしての文学

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