サントリー美術館 「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展 いってきたよ♪(2021年追記あり
仕事お休みだったので、いってきたよー。
わりとすいてた。平日夕方はまだそんなに混んでないのでお早めに!
あ、この記事とても詳しいので、公式サイトとここを読んで予習してくといいかも。
ところで、わたしのメインのお目当てはもちろん耀変天目だったわけですが、先日このようなお話をいただきまして。
@isozakiai 静嘉堂が歌い踊る曜変とすれば、藤田は囁きかける曜変ですかね。絶好の機会なのでじっくりとご覧ください。
— 青の零号 (@BitingAngle) 2015, 8月 27
静嘉堂のは「ふああああああ!!!! 豪奢で美しいなあああ」ていう感じだったおぼえはあるのですがそれ以上の記憶がなくて(←駄目なひと)。
こんかい、ともかく「あ、静嘉堂のと全然、まったく、チガウ!」ていうのが第一印象で、いやそりゃ違うんですけど、あたりまえですが。
なんだろう?
受ける印象???
なんかねーなんかねー、ず――――――――――――――――――ん、て感じだった。
静嘉堂のはアッパーでハイなんだけど(まさに、ふああああああってかんじ)、
藤田のは、吸いこまれそうというか、「重力」を感じた。
カタログに「宇宙に墜ちていく」て書いてあったんだけど、ああ、そういう言葉が出てくるの理解できるなあって。
わたし、お茶碗はきっと黒を背景に瑠璃色(青や紺)をしているものとばかり思ってたので、紺色のドレープワンピースに白い上着と青いストール、黒い靴とバッグでお出かけしたんですが、あれ???
「青の印象」はもちろん強いんですが、つよいんですが、でも!!!
ライトのせいなのかなああ、わりと赤みの強い黄色だったせいなのか、
わたし、あのお茶碗から緋色とか朱色とか、ともかく赤い、沈む太陽の熱みたいなのをかんじて、
これをどう説明したらいいのかわからないんだけど、
いや、いちおう今できる精一杯のところで言語化すると、
金覆輪の周囲に散る細かい金砂みたいな黄金の煌めきにトラワレタのも大きいし、
紫や緑や白っぽい黄緑や水色や青磁色みたいな色の揺らめきが動いてくとそこここで浮かびあがってるようで、なんだか追いつけなくて、千変万化てこういうときに使うのかな、
ともかく、写真の印象だと「黒・青(瑠璃)・金・白」みたいじゃない?
ちがうんだよ、なんかそういうんじゃないんだよ、なんか、ありとあらゆる色が追いかけてくるみたいで、そのなかで、そこに強くあった、「見えた」ていうふうなわけじゃないんだけど、あの『赤』、燃える色、なんだろう、あ、
夕焼けで、夜の帳の紺青と沈みゆく太陽の橙が鬩ぎあう、あの、あそこの横線のあたりに漂う、広大な「何か」があるんだよ、
だから「赤」なんだ。わたしにとっては。
ちょっと、怖かったかな。
うつくしいものって怖いと感じることが多いけど。しずかで、深いものの凄味があった。
(そうだ、それから、縁の一部がかけてるところの色が朱色だったのと、あと、口が並行じゃなかったような。傾いでる? 形をうまく認識できなかったのは外にもあの青が舞ってたからなんだけど、なんだろう、カタチ、かたち、わたし、漏斗みたいって変なふうにおもったのは、「墜ちる」感じに引っ張られたからだよなあ)
ていう、かんじです。
せっかくなのでもっとカッコイイこと言いたいんですが、素でおもったこと書いとくねw
まあなんかでも、他の言葉でいうと「宇宙の神秘」ぽかったです、はい。
ふしぎだねええ、ああいうものが出来あがるって。
※2021/5/25追記 流れてきたこのツイートの印象に近い!!!
相手の立場で考えてみよう。#皆既月食 が赤い理由。月食の時に月から見た地球の想像画。月から見る地球の縁は「日没直後」。空は夕焼けで赤く照らされています。この「紅環」が月を照らして赤く見えるのです。 pic.twitter.com/aUhG9glKqs
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) 2021年5月25日
あ、そうだ。
カタログに、「南宋時代に宮廷でも曜変天目茶碗が使用されていた可能性があることを」て書かれてて、発掘された破片がのってたのもよかった。このへんかな。
曜変天目は生産地の中国においては文献上の記述もなく、現物はおろか、陶片ですら見つかっていない状態であったが、2012年5月に中国浙江省杭州市の杭州南宋官窯博物館館長、鄧禾頴が発表した論文において、2009年末に杭州市内の工事現場から曜変天目の陶片が発見されていたことが正式に報告された。出土した陶片は全体の3分の2ほどが残っていたという[8]。現在は古越会館所蔵[9]。杭州市は南宋の都が置かれ、出土場所はかつての宮廷の迎賓館のような所で、宮廷用に献上されたことをうかがわせる言葉が刻まれた陶磁器も一緒に発見された[2][1]
bbs.artron.net(2016年6月14日ネットで拾ったのはっておく。すごく、キレイ。画像あり)
それから、お茶道具はもう、なんだか目がキラキラしすぎて、あー、えっと、何を言えばいいんだろうて感じで凄かったので、えっと、また書くかも、て感じで(天目もみて、なので、許容量を超えた)。
お能の装束があって、やはりカタログに「明治天覧能」のことが書いてあって、あ、それ、このへんと繋がるや、とおいておきます。
(いや、この半年、お茶をはじめとする日本の遊芸についてちょっとばかし調べはじめたので、繋がってきたのが楽しくてですね)
能をめぐる文化交流ー東と西、古典と前衛http://www.ritsumei.ac.jp/~hidedoi/noh06_takada.pdf
それから前半の快慶の地蔵菩薩立像のお美しさといったらもう比類なくて(思わず手を合わせてしまったよ)、ていうこととか、紫式部日記絵詞がほんとに素晴らしくて小説書きたくなるような感じだったとか、あと玄奘三蔵絵の色彩の美しさと有り難さとか、それから掛物とかも感じるところがあったのですが、ちょっと今日はこれまで。
仏教美術、奥深いや。
明治以降の数寄者達、絵巻物切り過ぎ!!! とか、言いたいことはまだあったけど、まあ、気力が出たらまた何か書くかも。