祖母の誂えてくれた二枚目の大振袖と『百年冷蔵庫』のことなど
きものを「貴族の文化」にしたのは何か - Ohnoblog 2
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祖母や母の着物を着るときは、よほど古典柄で格の高いものでないかぎり帯や着物どちらかを新しく、最低でも小物を新調するのが着こなしのコツかなあと/このへんはたしか若桑先生の『皇后の肖像』あたりでは。
2015/05/09 17:28
ひさしぶりに実家にいってきた。
以前、うささんに蝶の着物がまだあるとお伝えしてお見せしてなかったので、いつものごとくどうしようもない写メですみません。
祖母が拵えてくれたもの。
手描き友禅の 大振袖、その袖を二尺に切って着ています。これじゃ、わからないですね、すみません。
(二枚目の大振袖としたのは二尺振袖としての着物はまだ他にあるから)
袖を切るってもったいないんですが、祖母は(大)振袖なんてのは一枚あれば充分と思っていたらしく(まあたしかにねw)、またわたしの身長も158センチなのでそんなに袖長くないほうがバランスいいんですよね。祖母はそのへんの感覚についてすごくうるさかったです。
総絞りの帯揚げの色はもっとくっきりとした黄緑色です。
ごめんね、こんな駄目ダメな写真でw
帯は、母のもの。
昭和30年代にホテルオークラの展示会で買ったといっていたはず。ふだんは出入りの呉服屋さんで仕立てるのだけど、たぶん嫁入り用として誂えるためにわざわざ東京まで出たんだろうとおもいます。
そうだ、
着付けのはなしも。
うえの振袖は友人の結婚式の受付をするために(わたしは結婚式の振袖要員でして受付をするかスピーチするためによばれてました☆)、着せてもらってます。
花嫁さんの着付けとおなじように、胸と肩のところに真綿を何枚も重ねて伸ばしながらいれているので皺が寄っていない。
これが、ただたんに補正用下着についているクッションだけだとこうなります。
(たぶん、それでもクッションないときよりはマシ)
なんとなく、着付けはそのひとの性格とか何かが如実にあらわれるような気も。
母はほんとにゆる~んと着てるのにみっともないふうでなく、ともかくとても楽そうに、当たり前に着てるので、電車やコンサートホールなんかで知らないひとからこういうふうに着たいし昔はこんなふうに着てたましたよねえみたいな声をかけられてました。娘のわたしは性格の生真面目さと職業人(元呉服業界OL)だったせいもあり、綺麗に着てると褒められるけど面白みはないというか色気はないなあと。
さいきん「興」とか「おもむき」とか「凄味」とか「色気」とか考えてて、これはなんだろう、やはり鍛錬なのかなあ、それとも生まれ持った何かなのかなあとか。
(うちのママンはそれこそ6歳の6月6日に長唄ならったせいかもしらん、いちおそれなりにやったらしい)
(ていうか、わたしは色気ないまま一生終えるような気がしてるのでもう、いいです。かわりにコケットはあるよ、きっとあるよ!!!w←自棄)
もうちょっと一巡したら、花伝書を読み返すよん。
あとこれとか。
そしてこちら。
図書館でさらっと捲った程度なんですが、ちゃんと読まないとなあ。
このへんのはなしはいずれまた『百年冷蔵庫』掲載の「あやとりゆめむすび」をシリーズ化して書こうとおもいます。
#百年冷蔵庫 #文学フリマ 拙作「あやとりゆめむすび」はタイムリーという意味ではこれ以上なく相応しく、世界遺産をとりあげたファンタジーです。『夢のように、おりてくるもの』で御馴染みの「夢使い」が養蚕教師であったという設定で絹産業とお蚕さまに関わるひとびとを書きました。
— 磯崎愛 @叉似刃本丸琴弾 (@isozakiai) 2014, 11月 15
夢使いが養蚕教師でもあった、というフィクションを入れこんだ近代日本の輸出産業、絹と農村、家族のはなしになるといいんだけど、いまのところ祖母の思い出と仕事のはなし、みたいになってるw
着物を扱っているとひとさまの人生の深いところに関わることになる。お宮参り、夢見式、成人式、結婚式に葬式、または入学式や卒業式というのもあ る。綾子はずっと、人生の節目についてまわる物語を聞いてきた。着物はそれらを柔らかく、やさしく、美しく包みこむものだった。
けれど、そこからはみだすものもないではない。晴れの儀式にまつわるものとしてのみ残ったわけでない着物の、かっこたる姿もある。店を任されて三年たち、ちかごろはそういうことを考えていた。
「あやとりゆめむすび」よりーー合同誌『百年冷蔵庫』所収
さいきんではこちらに「三十振袖」という掌編でお邪魔しております。
おかげさまで、『百年冷蔵庫』の在庫がだいぶ少なくなりました。
本は無事に届いてました。 http://t.co/3lFo7KVKHB #bunfree #文学フリマ #百年冷蔵庫
— 大谷津竜介@埼玉県東部 (@ohyatsu) 2014, 11月 24
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