プレーリィちゃん、お誕生日おめでとう!!
お誕生日が一緒ってのは、きっと、まあ探せばあると思うのですよ。でもね、同じ年生まれとなると、これ、どうでしょ?
小説家はそうハッキリと年号は書きたくない、特別な場合をのぞいては。ってのが本音だと思うの。
となると、わたしはものすごくラッキーなひとなのだ、きっと。
- 作者: トマスピンチョン,Thomas Pynchon,佐藤良明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
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読んだのコッチだから。
でも、こっちのほうが改まってるらしいから両方はっておく。
ヴァインランド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集)
- 作者: トマス・ピンチョン,佐藤良明
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/12/11
- メディア: 単行本
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てことで、昨日のジーン・ウルフ様のお誕生日祝いもかねて、ここに置いときます。
『Q.V.Q.−キャトルヴァンキャトル−』
http://karakusaginga.blog76.fc2.com/archives.html#all69
そして、この物語を記述するにあたって、わたしはそれをためらわずに語りたい。夢の記述は完全に文学の伝統に含まれているからである
だって、ほんとにこういう夢を見たんだもん!
わたしは十四才の少女でこの夏休みにジョージ・オーウェルの『一九八四年』を読むぞと意気込んでいる。何故ならその年がまぎれもなく1984年だからで、夢のなかの父親は現代文学を代表する小説家トマス・ピンチョン(!)、歴史に残る長編を発表して以来まるで書けなくなっていて、おまけに母親はわたしを生んですぐに出て行ったらしい。母親のくだりは、ピンチョンの『ヴァインランド』の筋書き通りなわけで、この小説は1984年のアメリカが舞台のハチャメチャなSFで、ぐうたらな父親と暮らす十四才の少女プレーリィの、母親探求の旅がメインテーマのひとつに取られている。ところが、夢を見ているわたしはそんなことにも気づかない。そんな父と娘の暮らしは祖父の遺産によって支えられているようだ。本が堆くつまれたマントルピースの上にある肖像写真の顔は、どうみても立派なひげをたくわえてそっくりかえったマーク・トゥエインそのもので、ひと癖もふた癖もありそうな一徹者らしい憤然とした表情で、凝りにこった金の額縁におさまっている。なぜ夢だと気づかなかったのか恥ずかしくなってきた(わたしは夢のなかで辻褄が合わないと、あ、これ、夢だ! と閃いたりするのです)。
と、
じぶんの小説の宣伝をして終えるのである。