がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

誰かこのひとの小説かいてほしいんだけど、誰もいないよね、そんなひと(ユルギス・バルトルシャイティス『幻想の中世 ゴシック美術における古代と異国趣味 』)

エントリタイトルはわたしのこころの叫びであったりしますが、誰も書いたりしないよね。ていうか「書け!」とか言わないでくださいね。*1
 
さて、原題は、


Le Moyen Age Fantastique


である。
わたしには、


Le Moyen Age,Fantastique!
(中世って凄い!)


と読めたりする(笑)。

思えば彼こそが、
未だ西洋美術史など知らぬわたしに*2
絡み合う草木や獣の入り混じる「幻想的アラベスク」の美しさを讃えることを学ばせ*3
聖母の足もとに敷かれた絨毯の模様に目を向けることを教え、
「グリロス」という奇妙な生き物への偏愛を植え付け*4
「かたち」というものへの根源的興味をかきたたせ*5
この世のありとあらゆる「つながり」を見届けたいという狂気じみた欲望に火を注いだひとであった。
そしてまた、我が愛するアレッサンドロに言及し、読み返す都度あらたな歓びを授けてくれるのである。

副題は、


Antiquites et exotismes dans l'art gothique


なのであるが、


Antiquites et exotismes dans l'art de Botticelli gothique

(ゴシック画家ボッティチェリ芸術における古代と異国趣味)


として、

今後、読み解いていく指標にするのもまた愉しい*6
 

幻想の中世〈2〉ゴシック美術における古代と異国趣味 (平凡社ライブラリー)

幻想の中世〈2〉ゴシック美術における古代と異国趣味 (平凡社ライブラリー)

*1:澁澤龍彦の偏愛する、リトアニア生まれの美術史家。フランスの美術史の重鎮アンリ・フォションの娘婿で、中世ロマネスク美術を万華鏡のように見せてくれる面白い研究者だ。その人生はなんだか不思議に満ちていて、獏が、誰かこのひとのことを小説に書けばいいのに、とまで言っていた。ほんとにね。」『[http://karakusaginga.blog76.fc2.com/blog-entry-180.html:title=夢詩壷]』より抜粋  http://karakusaginga.blog76.fc2.com/blog-entry-189.html 

*2:この本との出逢いは高校生でした!

*3:わたしの小説サイト名は「唐草銀河」デスYO! あとアロイス・リーグルねv

*4:だいしゅき〜☆ いつか、きゃつらを小説に出すよ!

*5:アンリ・フォション

*6:2008年に某所で書いた記事だけど、サンドロのために西洋美術史方面に気合いれたいのとイイカゲン「はてなダイアリー市民」になりたいので再掲。わたし、ダメすぎるw