「クリスティーヌ・ド・ピザン──最初の女性知識人」
講演者:マリア・ジュゼッピーナ・ムッツァレッリ(ボローニャ大学文学部教授)
日時:2010年11月5日(金)18:00-20:00
会場:東京大学 駒場キャンパス18号館4階 コラボレーションルーム1
入場無料・事前予約不要
主催:文化女子大学文化ファッション研究機構
東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)
● 使用言語:イタリア語(逐次通訳付き)
講演者プロフィール:
1951年ボローニャ生まれ。現在、ボローニャ大学文学部教授。専門は中世史と都市史。中世イタリアの経済やユダヤ人、説教、女性、服飾、食物などに関する多数の著作・論文がある。邦訳書としては『フランス宮廷のイタリア女性──「文化人」クリスティーヌ・ド・ピザン』伊藤亜紀 訳(知泉書館、2010年)がある。http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2010/11/maria_giuseppina_muzzarelli_ch/
フランス宮廷のイタリア女性―「文化人」クリスティーヌ・ド・ピザン
- 作者: マリア・ジュゼッピーナムッツァレッリ,Maria Giuseppina Muzzarelli,伊藤亜紀
- 出版社/メーカー: 知泉書館
- 発売日: 2010/06
- メディア: 単行本
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いってきました。とっても面白かったです!!
今回、写本の図像的なおはなしがあったのも、写本好き、美術好きのわたしにとってはツボでした。
このUTCPの講演会、「入場無料・事前予約不要」というのも魅力!
以前、
宮下志朗先生記念講演会「ユマニスムの原点とは―エラスムス、ラブレー、モンテーニュ」 | Events | University of Tokyo Center for Philosophy
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2010/09/miyashita_shiro_memorial_lectu/
こちらを拝聴し、大変感激して帰ってきたのでした。
で、クリスティーヌさんってどんなひと?
クリスティーヌ・ド・ピザン(Christine de Pisan, Cristina da Pizzano , 1362年頃 - 1430年)は、主にフランスのパリ宮廷で活動した、中世のヴェネツィア出身の詩人、文学者。フランス文学最初の女性職業文筆家とされる。反フェミニスト的な論調を取る『薔薇物語』に対抗し、『薔薇のことば』で女性擁護を訴えた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Christine_de_Pizan(こっちは絵がたくさんあるのでオススメ)
ええと、わたしにはきちんとしたレポート能力とかまるでないので、わたしらしくクリスティーヌ・ド・ピザンの出てくる小説をあげておきますです。
- 作者: 佐藤賢一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/06/28
- メディア: 文庫
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小説としてはいかにもな歴史娯楽小説で面白いのですが、このクリスティーヌはあんまりなんじゃないかなって思ったりも(わたしが「女性」だからかもしれませんが)。
おつぎは石川淳の「普賢」。
- 作者: 石川淳,立石伯
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/04/28
- メディア: 文庫
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芥川賞受賞作品だそうです。にしても、さすが石川淳! これ、ものすごくカッコイイですよ(いや、主人公はイロイロこう、なんていうかモニョモニョ……なんだけど 笑)。
ちなみに今アマゾンみたら「中世フランスの女流詩人」としてしか書かれてなくて、クリスティーヌがんばれ、応援するぞ! てな気持ちになりました。
あの大変な時代、特権的例外的な立場ではあれ物を書く女性がいて、昨日の講演はその研究者も女性、翻訳者も女性、さらに通訳した方も女性でした。21世紀にもなってことさらに性別をあげつらうのも奇妙なこととは思いますが、それでもやはり、「女流作家」なんて言葉が残っていることを考えるとなんだか感慨深いです。
じつは、クリスティーヌ・ド・ピザンについては以前にもちらっと別ブログで言及してたり。書いた当時、日本語wikiもなかったよなあ、という気がします*1。
日本語で読めるクリスティーヌ・ド・ピザンの本、近いうちに是非とも読みたいです。
また、来年1月には「女性の哲学」という講演会があるそうなのでそれも聴きに行きたいなあと思っています。
*1:「これを読んで、恋愛スキルを磨くべし!(※追記あり)」http://ainokarakuri.blog42.fc2.com/blog-entry-58.html