がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

107 「紅旗征戎吾事に非ず」と「【自己】検閲」

なんとなく、めちゃくちゃ久しぶりに伴走メモを再開しました。

kakuyomu.jp

いま、カクヨムさんで連載してます。

記事タイトルの後ろ側は、こちらから。

 

検閲を警戒すること。しかし忘れないこと──社会においても個々人の生活においてももっとも強力で深層にひそむ検閲は、【自己】検閲です。

良心の領界

良心の領界

 

 

お上に検閲されることより、委縮して自分でじぶんを「検閲」するほうが問題なんだよなあって。ワカル。おっかないもんね。

いわゆる政治的なことだけでなく、いろんなこと。性的なことだったり、ひどく個人的なことだったり、色々なことですよ。

「言葉」というのはそのひとの「生命」みたいなところがあるから、じぶんのそれも、大事にしないとねっておもう。

 

 

(こうきせいじゅう)

  1. 朝廷の旗(紅旗)をおしたてて、外敵を征圧する(征戎戦争を起すこと。
    紅旗征戎非吾事(藤原定家明月記』)
    (訓読)紅旗征戎吾が事に非ず。
    (意味)大義名分をもった戦争であろうと(所詮野蛮なことで、芸術を職業とする身の)自分には関係のないことである。

    紅旗征戎 - ウィクショナリー日本語版

 

 

ここで、この言葉について語りだす前に、はてなハイクの伴走メモのリンクだけとメモとをはっておきます。

 

 

「 原著はPassing It On---A Memoir として、2004年に刊行されています。原題が示唆するように(pass on は、「次に回す、伝える」の意)、また「日本語訳への序文」で著者自身が述べているように、回顧録は、「何よりも愛しい子どもたちのために」書かれたとのことです。 確かに、著者の家族や友人についての記述に、かなり紙幅が割かれています。(邦語版では一部が割愛されています。)とはいえ、原著が刊行されたときに、ある友人が私に一読を勧めてくれた理由は、著者ユリ・コチヤマがマルコムXと親しくしていた様子がよくわかるから、というものでした。マルコムXは私の研究対象ですので、早速購入して興味深く読んだことを覚えています。そんな思い出のある本が、邦語版の抄訳として、広く日本の読者に届けられることになったのは、個人的にも嬉しい限りです。なお、ユリさんの半生を綴った伝記としては、中澤まゆみ著『ユリ 日系二世ハーレムに生きる』(文藝春秋、1998年)が出版されています。」
http://blogs.yahoo.co.jp/hisaeorui/26390434.html

ユリ―日系二世・NYハーレムに生きる [単行本]
中沢 まゆみ (著)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4163544909

ユリ・コチヤマ回顧録―日系アメリカ人女性 人種・差別・連帯を語り継ぐ [単行本]
ユリ コチヤマ (著), Yuri Kochiyama (原著), 篠田 左多江 (翻訳), 増田 直子 (翻訳), 森田 幸夫 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4779115450/

丸屋さんの師匠の訃報。
R.I.P.
 
http://elmaruyatch.bmr.jp/post/87788211879
「もちろん、この写真のスタイリングは、雑誌側の仕込みによるものだろう。でもファレルは、それを拒否できない立ち場ではなかろうし、四十路になって、その反響が予想つかないのはマズいね。
それは、善悪や正義(そんなものがどこにある?)ではなく、礼儀もしくは処世術という意味で。」

こないだカッコイイとはったばかりなのだが、
好きだからこそ、おいておく
そして、まるやさん、せかいのえるを敵にまわしていいんですか?w というツッコミもここでこっそりいれておくのだw

言葉のあらゆる領域を踏破する
―【「波」デジタル版限定】特別ロング・インタビュー―
松浦寿輝/聞き手:編集部http://www.shincho-live.jp/ebook/nami/2014/06/201406_14.php

こういうことをずっと前から考えてるんだけど、出来てないからたまに自分に怒りまくって大変なことになるのだが、まあしょーがないしょーがない。

ポール・リクールキニャールのせんせいのひとりやん、みたいなきがしてなんなのだが、けっきょくどうしたって、そこに興味関心があるからしょーがないw

記憶・歴史・忘却 上下
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0911-3.htm

時間と物語 全3巻 新装版
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0914-8.htm

さて、「紅旗征戎吾事に非ず」を知ったのはたぶん高校生のときで、この本を読んだときでした。

 

定家明月記私抄 (ちくま学芸文庫)

定家明月記私抄 (ちくま学芸文庫)

 

 

 

定家明月記私抄 続篇 (ちくま学芸文庫)

定家明月記私抄 続篇 (ちくま学芸文庫)

 

 あ、こんな本が出てるのね。

備忘のためにはっておく。

国宝『明月記』と藤原定家の世界 (日記で読む日本史)

国宝『明月記』と藤原定家の世界 (日記で読む日本史)

 

 定家卿、めっちゃ好きでして。

青白い顔をしたかんしゃくもち、狷介(けんかい)の士。でも、わりとお茶目なところもあるとおもう。

『松浦宮物語』とか、ほんとに定家卿が書いてるんだとしたら、めっちゃラノベ☆ 

Wヒロインだし、ご都合主義だし、願望充足ファンタジーっぷりがチョーゼツ可愛い☆

新編日本古典文学全集 (40) 松浦宮物語・無名草子

新編日本古典文学全集 (40) 松浦宮物語・無名草子

 

 

 

松浦宮物語

松浦宮物語

 

ともかくわたし、定家卿が好きすぎて、式子内親王と恋愛して欲しくてたまらないので、誰か小説に書いてかいてと言い続けて、けっきょく三島も辻邦生さんも死んでしまってるので、ほんと悲しい。

ああいうひとたちが、戦乱の時代に生きた芸術家を書いてから逝くべきでしたよ。政治と、芸術と、恋と、ちゃんと書いてくれるべきですよ。

ちなみにふたりとも同じ年生まれ、学年が違う形かな。

てことで(?)、「紅旗征戎吾事に非ず」も好きです。

諸説あるらしいですが、若いときに書いたのでも、晩年に書き足したのでも、どっちであろうとも、わたし、この言葉がかっこよくてとても好きです。

かっこいい、という、どこか浮ついた言葉のままに好きだとくりかえしたい。ここに「重み」が必要になるほどのことがないように、願っている。