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がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

叉似刃(CYBER)本丸琴弾之記八 夏コミお世話さまでした!(自家通販&『本丸の神々は死なず』」連載のお知らせ)  

id:NAPORIN (なぽりん)さんといっしょに夏コミに参加してきました!

なぽりんさん、とても楽しかったです。御誘いどうもありがとうございます。

本の内容はこんな感じです。

 

www.pixiv.net

刀剣乱舞オールキャラ(を目指した)小説本ができました。
わたくしのは男さにわ総受け風味の全年齢向け、イチャイチャ3滴くらい。
次郎太刀が一番出演頻度高いです。次が長曽祢か蜻蛉切。
全員出演をがんばったのですが時間切れになってしまい
蛍丸、藤四郎の一部、新撰組の一部で、全く一文字も画面にうつらない刀が数本います。
本丸にはいるはずですがほんとうにすみません。
あと蜂須賀のツンがかなりキツいです…
 
ゲストに磯崎愛さんuser/5180436をおむかえしてしっとり度増し増しでお送りします。
「へし歌仙」という表記になるのでしょうか、すでによませていただいてますが
本当にしっとりしていてうれしい! こちらも年齢制限なしです。
コミケ直前にその前日談をピクシブにあげてくださるそうです。

 

 上記、ゲストとして呼んでもらいました。わたしは「ヴァカンス日和」という短編です。えへへv

 

数冊でしたらわたしのほうで自家通販も承ること可能です。

一部600円(プラス送料80円)です。

もしよかったらコメントやツイッター等でお声かけくださいましv

 

生まれて初めてファンフィクション(刀剣乱舞トリビュートという呼び方をしたいです)を書きました。もうね、人生初だからね! 緊張してるよ!!

(すでに評価とブックマークしていただいてて、わたし、目標いちブクマだったので、すっごく嬉しいです。ありがとうございます。PCの前で歓喜の踊りおどりましたよ、マジで!)

そして本編です。

 

三島由紀夫ラヴなのでエピグラフ引きまくってます。

今までオリジナル小説ではジョン・バース様の教えどおり引用を我慢してきたんですが、もうね、はっちゃけて好きなだけ引くぞ、と。

やりたくてたまらんかったのでヒャッハーってなってますv

とうらぶは時間SF物で和の要素もたっぷりなので、和製スチームパンクとかも似合いそうですね。あと、設定があんななので、政治批評的に書くこともいくらでも可能かと。

わたしは本丸を10くらい用意してて、それぞれ同一世界線上で書くか、いろいろと考えているところです。

それから、叙述トリックもできるひとは出来る設定だとおもうんですよね。

 

そんなこんなで、

とうらぶ、名前くらいしか知らないって方にも読んでもらえたら嬉しいなあv

でもって、サイバー本丸が増えてほしいな☆

 

www.pixiv.net

 いちお、注意書き。

※連載中です!
※へし歌。織田家中にいたときに会っている設定です。
※オリジナルSFファンタジー設定てんこ盛り。触手ならぬ繊糸挿入義体とかヴァチカン教皇庁国連占領その他イロイロやりたい放題です。
※オリジナル審神者が出てきますが、刀剣男士との恋愛関係はありません。
※以前TLで見かけた「サイバー本丸」が素敵で、タグをつけてみました。(でもこの本丸はあんまりサイバーっぽくないです、すみません 汗)
※R18Gをつけてますが、保険です。人体解剖人形が出てくるのと流血表現がある可能性のためです。エロはあったとしてもとてもぬるいやつです。ごめんなさい。
以上、よろしければvちょっとこっちだけ

 

 

(そのうちプライヴェッターにでもあげるかもしれません)

あ、それと、これおいときます。

 

[pixiv] ガイドライン おいとくよ~ん。

 

というくらい厳しいので「R18G」つけてますが、わたしのかくものなので、そんなこわいことはないかとはおもいますです、たぶん。

てことで、 

冒頭の1頁ぶんだけ引いておきます。


 『本丸の神々は死なず』

 

 

それは光り輝く遠い彼方に姿を消して、

永遠に到達できなくなった魔法にかかった島の如きものになった。

                  セズネック『神々は死なず』

 

 

一 百合の薫り

 



       百合は闇のなかにうなだれている。

             三島由紀夫豊饒の海





 百合の芳香に眩暈がする。

 へし切長谷部は意識をはっきりさせようと煤色の髪を揺らして頭をふった。眉間に皺が刻まれているのを自覚する。彼は、ヴァティカン教皇庁特使の〈接触(コンタクト)〉につきまとうカサブランカの薫りを好かなかった。

 長谷部は夜風にすがるように自室から出て庭へと降り立った。五月にしては蒸し暑い夜だ。それでも、己の肉体に纏わりつくこの薫りから逃れたかった。

 この特殊な《香》は、たとえ風呂に入っても消えないが、あるていど時間が経過すれば自然に失せる。だが、いくら快適な室温であろうとも部屋にいては我慢できそうもなかった。

 この本丸の主は外部からの〈接触〉に際し、それを《香》として認識する仕掛けを施したいわく予期されぬ〈不定〉なるものの立ち入りを清めるために。

 さすがに教皇庁をして不浄と決めつけるわけにはいかなかったらしい。けれども、へし切長谷部のような刀の付喪神、いっぱんに「刀剣男士」と呼ばれるものたちの住まう場所ではあちらこそが異教だと、この本丸の頭にして彼らの主たる審神者(さにわ)はそう口にして憚らなかった。

 この二十三世紀に日本文学を学び、ついにはこの国に居を定めた異国の貴族らしいふるった物言いではあった。

 ところが、この特別な仕掛けは長谷部をはじめとする一部の刀剣男士には不評であった。《香》の痕跡はたしかに目立たない。そのいっぽう人の身のもっとも根源的な、つまり動物的な官能をいたく刺激する。

 人間たちは彼ら刀剣男士の嗅覚を、彼らと同じく大脳辺縁系に位置づけた。視床下部から直接身体に影響を及ぼし得る場所へ……。

 長谷部はそれが本当に不快だった。しかしながら、主の施した仕掛けをたんに否定することも出来なかった。それが難しいからでなく主の間違いを諌めるのは、ときに死をもって為すに値するほどの忠誠でもある試されているのかもしれないと疑ったからだ。

 長谷部はこの本丸に遅く来た刀だ。よって他に大幅に遅れをとった。それをステータスの高さと獅子奮迅の働きで第一部隊にのぼりつめた。つまり、いくさで重用されてはいるが内向きのことは任されていない。彼が来る前に、ある打刀によって本丸内の体制はほぼ固められていたからだ。

 それは初期刀と呼ばれる特別な存在この政府供出の刀だけは、本丸の主たる審神者自身が打刀五振りのなかから選ぶことが可能なのである。そして、この本丸の主はほとんど何もかもを委ねるほどにその初期刀を重く用いている。

 長谷部は、いまこのときに文化・通信大臣に就いている男の名字を思い出す。彼を不快にする〈接触〉もその男の差配なのだ。しかも、その男は主の叔父でもあった。

 長谷部の眉間の皺はますます深くなる。服の裾が揺れるほど大股で庭園を歩く。星の明るい夜だ。手燭をもたずとも夜目のきく打刀に不安はない。

 この数日のあいだにレア太刀と称されるステータスの高い太刀二振り江雪左文字と一期一振が主の力によって招かれた。今後はその二振りがいくさで活躍するのは間違いない。第一部隊常連の長谷部とて安穏としてはいられないのだ。

「主は何を考えておられるのだ……」

 足をとめて漏れたつぶやきは噴水の軌跡とともに水面に落ちた。

 いつの間にか噴水のある薔薇園まで辿りついてしまったようだ。この本丸には異国からやってきた主のためにいくつかの西欧式庭園がその片隅に造られていた。

 漣に、薔薇の花弁が寄り集まって揺れている。濃紅と淡い紅が入り混じる。花びらで織られた布が小刻みに震えるのを長谷部は立ったまま眺めた。

 ふと顔をあげると、息苦しいほどに感じていた百合の芳香はさすがに薄れ、五月の春を謳歌する薔薇のそれに取って代わられていた。

 これでようやく眠れるに違いない。長谷部はそっと息を吐いた。そのときである。

「へし切 どうしたんだい、夜更けにこんなところで」

 背中に声がかかった。主にさえそう呼ばないよう頼んである名前を呼ばれた。無視してしまいたい衝動に駆られたが、長谷部は振り返った。逃げるようで癪に障ったからだ。

「……歌仙兼定、お前こそ」

「僕は酔い覚ましにね」

 そう言って、何が楽しいのかわずかに首を傾けて微笑んだ。言葉どおり目許や頬のあたりがいくらか紅い。前髪はおろしていたが色が白いために肌の赤みがやけに目についた。

 歌仙兼定は長谷部と同じく打刀の付喪神で、この本丸の政府供出の初期刀、つまり最古参であった。

 歌仙は戦装束でなく内番用の白い小袖と墨色の袴姿である。とりたてて着飾ったふうもないのに目を引くのは、ひとならぬものらしい藤紫の髪のせいか、はたまたいささか芝居がかった身ごなしのゆえか、長谷部には見当もつかない。ただ、何処にいても何をしていても気に障るほど目立つ男だとおもう。

 薔薇が盛りだねと呟いて、うっとりと目を細めた歌仙を見て、さっきの笑みは花のせいかと合点がいく。この打刀は三十六歌仙から名をとられたためか、花を活けるのだ。それだけでなく和歌や茶道といった遊芸に精を出していた。

 むろんそれは主にも許されたことであるし、主を筆頭にこの本丸の多くのものたちの楽しみのひとつにもなっていたのだが、あいにく長谷部にとってそうではなかった。

「歌仙、近侍の仕事はどうした。主のお側を離れて酔っぱらうなど怠慢が過ぎるぞ」

 長谷部のいきなりの叱声に歌仙は瞳を伏せて、ゆるゆると頭をふった。

「いくら僕でもそんな真似はしない。石切丸殿に代わってもらったよ」

 三条派の御神刀なら確かに古参であるし何の問題もない。だが、それでも。

「何故変更を」 

 ひと睨みしたが歌仙はこたえない。無言で噴水の縁に腰をかけ、袂をおさえて手を浸した。漂う薔薇の花弁をかき混ぜて手のひらを櫂のように泳がせる姿は童のようだ。

 その昔から、歌仙にはこういうところがある。目の前の興味に気をとられやすい。 

「どうにも暑いね。主に、いつもこんなに暑いのかと尋ねたら、これでもまだ四季らしさの残る二百年ほど前の気候に設定していると言われたよ。僕たちが出逢った時代とは違うね」

「歌仙兼定」

 業を煮やした長谷部の声にようやく顔をあげる。 

「君と、同じさ」

 その翡翠色の双眸がひたと長谷部の青みのつよい紫水晶をとらえた。おなじと言われてはじめて気づく。

 百合の薫りに瞳を大きくした長谷部へと、歌仙がことさらゆっくりと発話した君のはカサブランカだね、と。

 

 

どうぞよろしくお願いいたします!