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がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

『遍愛日記』の「壁ドン」☆

しゅうち☆ぷれい 小説更新のお知らせ 愛っていったい何かしら?

へんあいにっきの遍は、あまねく、なのだ。

いや、偏愛じゃん、て言われたらまさにそのとおりではあるだけど、でも敢えて「あまねく」なのだ。

ていうことで、

気が向いたので、ヤル☆

ていうか、

実は昨夜も『遍愛日記』更新してます。

助走的なかんじで、連載ペース掴めたらいいんだけど、どうかな。

 

 細長い灰色の廊下の向こうに、浅倉くんが壁に背をついて腕を組み横顔をみせていた。
 おトイレのドアから一段おりた、ヒールのたてる硬質な音で、顔をあげる。
 いつも思うけど、この出待ちの男のひとってなんだか間抜けだ。一緒に入ってもたいていあちらが早く出てきてしまうわけで、まあしょうがない。きっと所要 時間の差ではなく、鏡の前に立つ時間が多いのだ。ちがうかな。ドアを開け閉めするのにも時間がかかるし、衣服の着脱に手間取るからか。
 ん、なんでこっち来るの? おトイレ?
 浅倉くんが目の前に来ていた。動けない自分に驚いている間に抱きこまれて、壁に背を押しつけられる。身体が揺れて、なで肩のせいで引っ掛けていたバッグ が腕へずり落ちた。あわてて掛けなおそうとすると、彼はそれをぐいとつかんでそのまま私の背中へと回した。A4の書類も余裕で入る長方形のバッグを壁と背 の間に押しこめられて、私の身体は不安定に傾いだ。
「ちょっと、なに?」
 何をされるのかはわかっていたけれど、他に言いようがない。頬に手がかかって、上を向かされた。思わず首をすくめて目をつぶると、好きだとかなんとか言いながら、浅倉くんは私の額の生え際にキスした。
「センパイ、こういうとき目、閉じちゃダメですよ」
 掠れた笑い声が、髪を揺らした。右手が耳をくるむようにして、頬にかかる髪をゆっくりとかきあげる。あらわになった耳の上に熱のこもった声が触れた。それだけで震えた背中を撫でるように両腕をまわして身体を密着させてこられて、甘い匂いが鼻をくすぐった。
「キスしたい」
 いい加減にしろ! と叫ぶつもりが、相手の顔をまともに見れずにうつむいた。自分の心臓が鳴っているのが聞こえるなんて、変だ。顎をつかまれたところで、声にさえならない拒絶が、迸る。
 浅倉くんはびっくりしたように両手をはなし、それでもそんなに離れないで、息遣いが聞こえるくらい近くでじっと、立っていた。
「……泣くほど、オレのこと、嫌い?」
 嫌いじゃない、と思う。


遍愛日記

3月22日 25

 

浅倉くんはたいていの男性読者からは憎らしいヤツ扱いですが、女性ファンは多い。ミズキさんの女性ファンもおいでですが、ミズキさんは男のひとから浅倉くんみたいには嫌われない。それと、ミズキさんに一定の理解をしめす男性はわりといて、なんか、オモシロイ。

 

「センパイって優しいんじゃなくて自分が傷つくのが怖くて汚れ役がイヤなだけじゃん」
 その通り。認めてしまえば、言いたいことはひとつだ。
「じゃあどっちもいらないから! 男なんていなくても生きてける」
 反射的に叫ぶと、彼がこちらを見た。
「生きてけるのは知ってるよ」
 きゅうに、声の調子が変わっていて、私は身を竦ませてそれを聞く。
「じゃあオレが悪者になってもいい?」
 それが、何を意味するのかわからないわけじゃなかった。
「全部、オレのせいにしなよ」
「あ……」
 後ろにさがろうとして、食器棚に背がぶつかった。振り返る肩先をつかまれてキスされながら、これでいいのか、この先どうしたらいいのか考えていたら、頬をはたかれた。
「考えるなよ。どうせ無駄だから」
 痛みより驚きで、息がとまった。かるくとはいえ、誰かに手をあげられたことは一度もなかった。熱をもった頬に手をあてようとすると、手首をつかまれて掌を舌で舐められた。自由な右手ではたき返そうとして、どうせならちゃんと殴れよ、と嘲笑された。
「あんたになら何されてもいい」
 躊躇したのが間違いだと、次の瞬間には悟った。やめて、やだ、とくりかえし言うことで、罠にはまる気持ちになった。ひとのせいにするなんて、そんなはしたないこと、そんな淫らなこと、自分にできるなんて思わなかった。
 いいから黙って、聞こえるよ。そう囁かれて、ここがお店で彼の仕事場だと思い出す。どうせいつも二時過ぎまでお客こないけど、と彼が続けながら、胸のうえに手をおいた。
 ひきはがそうとしたところで、さすがにここで最後までしないから、とこたえられた。ほっと息を吐いたこめかみに、でも全部触らせて、ときた。
 瞳が合うと、目、閉じてなよ、そのほうが楽でしょ、と瞼のうえに唇が落ちた。鼻先を掠めるくたびれた革の匂いに混じった、妙に清潔なボディソープの香 り。そのアンバランスさに眩暈がした。くらりとしたのは気のせいじゃなく、担ぎ上げられるようにしてダンボール箱の積まれたバックヤードの奥の壁へと押し 込まれた。
 なるほど、いくらでもできたというのは誇張じゃない。私は荷物か、と胸うちで悪態をついて文句を言おうと顔をあげると、両手首をひとつ手に掴まれて肩の横の壁にかためて押し付けられた。え、と思う間に後頭部のすぐ脇に掌をつかれ、その音と衝撃に本能的に竦みあがる。
「ちょっとは悪者らしくしないとね」
 こめかみに掠れた笑い声が落ちた。私の右肩を壁に寄りかからせたまま右腕を胴にまわし、背中から覆いかぶさってきた。やたら窮屈な体勢に抵抗する、その 身体の動き全部を封じるのが目的だと知れた。後ろに回られては股間を蹴り上げることもできそうになかった。いつものブーツなら傷をつけてもいいだろうと ヒールで思い切り踏みつけてやろうかと考えた瞬間、踏めば、と囁かれてこちらがぎょっとした。
「あんた軽いから大して痛くないよ。それにもう、何されても手に入れるって決めたし、抵抗しても無駄。叫ばれたら口塞ぐし、オレもう我慢しない」


遍愛日記

3月23日 正午 73

 

 あともいっこ、

作者がいちばん気に入ってる壁ドン的なシーンはあるのですけれど、それは載せないでおく。

 

なんかずっと、愛っていったい何かしら? 的なことを問いかけているような気がする磯崎愛ですw

まあしかし、性愛的なものはケダモノ(褒め言葉)なほうがオモシロイよなあっていう、生死を懸けた勝負事であるほうが「当然」ていう意識がじぶんのなかにはあって、たぶんTVで野生の王国とか見てたせいかもしれないけど(ホント?)、マッチョでほんとごめんなさいとおもうけど、「恋愛」は奢侈品だし、選ばれたもののパッション(受苦)か災厄ですよ、ていうふうにちっちゃいころからおもってた。

そして、じっさいほんとにそう、おもう。

そういえば、

3月25日でアレが起こるのはもちろん、その日が受胎告知の日だからで(よって、「非告知」なのだ)、キャラにはモデルいます、姫香ちゃんのモデルはじぶんです~、みたいなこと恥ずかしげもなく言えるのはようするにきっと、陽動作戦みたいなもんなんだろーなーとか他人事のように思った自分がいるので書いておくw(韜晦じゃなくて陽動作戦な感じ)

(とかいって、磯崎さんは獏だと名指されて泡喰った作者ですけどねw)