がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

ペトラルカの「ロマンチスト」具合を考えてみるはずが、当たり前にじしんのそれにしかならなかったw 伊藤博明『神々の再生 ルネサンスの神秘思想』(東京書籍)

神々の再生―ルネサンスの神秘思想

神々の再生―ルネサンスの神秘思想


  
本を開いてしばらくしてわたしの口から飛び出したのは、
「ペトラルカ、超絶かっちょえええ!」
でございましたことよ(笑)。
もう少し品よく話しなさいと間髪いれずに自己ツッコミしましたが、「かっちょえええ!」という嘆声はソレ以外の何物にも替えがなく、ただでさえお馬鹿さんなくせに(というか、ダカラ、ですかね?)衒学的なものだいしゅきなので、大上段に構えてこむずかしいこと語るなんて面映いのですよ、マジレスするとね。柄じゃありません。おばかはおばからしく、素でいきますです。

まあそんなわけで。
この本のレビューていうよりルネサンス関連書その他を読んでいて何処かで行き当たるあの著名なできごと、「1336年4月、バントゥー山に登ってアウグスティヌスの『告白』を開いたら偶然そこは」っていうような記述の「偶然」がペトラルカの虚偽の告白であるか否かについてほんの3分くらい(笑)考えてみたのです。
何故かといいますと、宮下志朗先生は「自説のための作り話」っておっしゃってたんですよ。講演会で*1
わたしはずっと、長らく求めていた回答が偶然にも開いた本の頁に見出されることやら啓示としての書物って絶対にアルって思い続けているちょーぜつろまんちすとなわけですが、
こういうのは「つくりばなし」のほうが素朴ではないぶん洗練されていて余計に「かっちょえええ」ではあるよなああ、というところにいつも落ち着いたりします。
いや、どっちでもいいんですけどね。
虚実綯い交ぜのあたりが気持ちいいんです、はい。

ペトラルカ ルネサンス書簡集 (岩波文庫)

ペトラルカ ルネサンス書簡集 (岩波文庫)

 
さてさて、実を言えば、こっから上は2011年1月の下書きから発掘してきたものでして、
なんでかというと、
先日、id:SIMPLETON氏にハイクでこんなこと呟かれてしまったのでとりあえずおこたえしておこうかなと。

さて、今月9日に学生時代の担当教官である先生の著書『ルネサンスの神秘思想』が講談社学術文庫から復刊する。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2920956&x=B

めでたいのはめでたい。そして、さんざん読んできてついに売ってしまった罰当たりな教え子をお許し下さい(購入しますので)。
florentineさん、是非買って下さい。
http://h.hatena.ne.jp/SIMPLETON/171934330465999511

 

ルネサンスの神秘思想 (講談社学術文庫)

ルネサンスの神秘思想 (講談社学術文庫)


 

うい、むっしゅー。
そう遠くないうちにゲットさせていただきますことよ。
ちなみに、
文庫化される前のタイトルの元ネタというか、この本を読むときにはこちらも想起してしかるべきかと。

 

神々は死なず―ルネサンス芸術における異教神 (1977年)

神々は死なず―ルネサンス芸術における異教神 (1977年)


 

それと、いまちょうどこれを読んでいて、やはり無茶苦茶面白いのでのせておきますです。


剽窃の弁明 (エートル叢書)

剽窃の弁明 (エートル叢書)


 

モンテーニュの図書室(だったか蔵書目録だったか?)にミランドラ伯の書物を探される宮下氏の執念(?)もまた、わたしからすると「かっちょえええ」と感嘆したので記しておきたいなって。ミランドラ伯は未読。だけど、間違いなく今年か来年には読む予定。
 

人間の尊厳について (アウロラ叢書)

人間の尊厳について (アウロラ叢書)


 

モンテーニュエセー抄 (大人の本棚)

モンテーニュエセー抄 (大人の本棚)


(抄訳をあげておきます)

 
ついでにミランドラ伯をモデルにした人物が登場するスコブル面白い小説を。
 

路上の人

路上の人

2004年に出てるのね。わたしが読んだのはもっと前の単行本だったけど、おすすめ☆
というかんじでとりとめもなにもなく、いな、へるめすとりすめぎすとす(笑)な雰囲気でおわるのであ〜る☆

*1:http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2010/09/miyashita_shiro_memorial_lectu/