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がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 8

べつに驚かなかった。これは、予測の範囲内。 こいつは、それ――茉莉がショックを受けること――が俺への抑止力として働くと思っている。自分がそうだから、相手も同じに違いないとしか考えていない。 だが、それでは戦えないんだよ。浅倉。 「お前なら、俺を殺…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 7

「俺は、茉莉と会ったときから茉莉さえいればそれでいいと思ってきた。だが、少し知恵がつけば、相手が俺の言いなりになる人形じゃないことや、自分の抱いている欲望が世間ではおぞましいものだという認識はできあがる。俺はだから家を出たし、ほかの女性と…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 6

俺は嘘をついている。わかりやすくも言える。だが、わかりやすく言えば、浅倉にただ反論されるだけだ。そして、深町さんも取り合わない。言えてしまった時点で、それはもう「問題」ではなくて努力対象になるというのが深町サンの判断だ。俺は、それをこそ問…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 5

目の前の男は身じろぎひとつしなかった。それは、礼儀にかなっている。 「お前が深町さんを守りたいがために話しをしないならそれでいい。俺は来須に頼んで言伝してもらうこともできるし、もちろん自身で頭をさげる覚悟もある。だが正直、俺は茉莉のことだけ…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 4

浅倉のにやけたようすに辟易し、遠慮なく弱点をついてやった。 「お前、その調子で深町さんからかうと永遠に相手にしてもらえなくなるぞ」 「そっちへ反撃するんだ」 顔つきが変わったので俺もそれ以上つっこむのはやめた。そして浅倉は浅倉で、こちらの態度…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 3

「そういうのは、お前のほうが詳しいだろうが」 十二分に呆れて問い返すと、洋画の男優みたいに肩をすくめて、 「間違えた。深町センパイの」 なにが間違えただこの野郎。と胸内では罵ったが、それをそのまま口にはしない。 「浅倉、ここで勝手に講釈たれた…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 2

こいつ、真顔でツッコミやがったよ。 鼻白んだ俺の顔を流し見て、やつは残り僅かになった壜を片手でとりあげながら続けた。 「つうか、オレたち男が女の人の欲望に逆らえるはずないっしょ? 妹さん、あんたが初恋の人だってオレにコクってたし、もしも親が反…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 1

目次 1 2 3 4 5 6 7 8 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 世の中に、「妹萌え」ということばが流行りだしたのはいつの頃だろうか。その前はたしか、「シスコン」といったはずだ。 しかしながら厳密にい…