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がらくた銀河

磯崎愛のブログです。本館は小説サイト「唐草銀河」。

掌編「ユメノナルキ」

かつてバクはユメノナルキの下でくらしていたそうだ。 いつも一緒に寝ていたのにある朝目をさますとその姿が横にない。パイプベッドのよれたシーツのうえにバクの温もりはわずかに残されていて、じきに戻るかと二度寝を決めこむつもりが、奇妙に心臓が高鳴っ…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「クッキー」

愛の告白がわりのちょこれーとにかえて。 小咄「クッキー」 冬は何かと贈り物をするイベントが多い。あなたと付き合って、おれはそれを思い知った気がする。おれがあなたへ贈ったそれでも、あなたからもらうそれでもなく、あたなが、依頼人から贈られるもの…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「スイートホーム」更新しています!

よ、ようやく書けた、書けました! あまーいよ♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小咄「スイートホーム」 あなたと暮らしはじめて二週間ばかりたったころ、店長が教えてくれた。あなたが、冷蔵庫にいつも好…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「抱擁」更新しています!

「ゆっくり、急ぐ」からほぼ24時間後くらいw(20時間くらいかな、正確には) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小咄「抱擁」 じぶんで鍵をあけずに玄関のドアがひらくのはいかにも不思議な気持ちがした…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「ゆっくり、急ぐ」更新しています!

ふたりが出来あがった翌朝のこと ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小話「ゆっくり、急ぐ」 あなたの家に初めて押しかけた夜は土砂降りの雨だった。 目をさますと、おれが脱ぎ捨てた服はハンガーにかけら…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「春夢狼藉 はるのゆめあらして」&店長とラスボスのコミックもあるよ☆

同人誌『夢のように、おりてくるもの』収録短編『春夢揺曳 はるのゆめただよひ』の裏おとなヴァージョンw 店長とラスボスだよ! 実をいうと、主役のふたりよりディープなふぁんがついてる模様w おじさまスキーな方は是非☆・・・・・・・・・・・・・・・・…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「電車」

ふたりが一緒に暮らし始めたころの電車デートのことなんかをちらっと書いてみたよ☆ 小咄「電車」 車窓から眺める景色が好きらしい、ということにはすぐ気がついた。 ある巨匠の映画祭というのに連れていかれ、俺は途中で少し寝てしまったのだが、彼はずっと…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「手紙」2 

あの日、おれはあなたたちふたり、つまり甥と叔父の歓談を聞く親しい「友人」とその「部下」の役に徹した。徹しようとした。そしてあのひとが、幾度となく あなたの肩に手をおくのを黙って眺めた。その指がふと、あなたの長い髪に触れるのも盗み見た。それで…

『夢のように、おりてくるもの』小咄「手紙」1

あれはまだ付き合い始めのころのことか。 あなたの叔父が、おれとあなたを行きつけの寿司屋に招いた。あなたはたいそう喜んで舌鼓をうっていたが、おれは正直面白くなかった。奢られることも、あ のひとの世話好きな善人ぶった態度も、あなたの無防備さも何…

19/11/486-30/12/498

奴らが襲い来た。すでに警告はされていた。わが竹内家に伝わる予言書によって。通常の航海日誌(ログブック)から設定を変える。多少見苦しい点はあるだろうがこれが故郷へ届くと信じて。他でもないこの私が奴らと遭遇する初めての地球人(テラン)で あることに…

ディディ=ユベルマン再読中です

ほんとはクリスマスらしくマリア様についての本を並べる予定だったけど間に合いませんでした>< (ていうか、わたし、「今年の10冊」も途中なんだが、だいじょぶか?) ヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷作者: ジョルジュディディ=ユベルマン,Georges Didi‐H…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 8

べつに驚かなかった。これは、予測の範囲内。 こいつは、それ――茉莉がショックを受けること――が俺への抑止力として働くと思っている。自分がそうだから、相手も同じに違いないとしか考えていない。 だが、それでは戦えないんだよ。浅倉。 「お前なら、俺を殺…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 7

「俺は、茉莉と会ったときから茉莉さえいればそれでいいと思ってきた。だが、少し知恵がつけば、相手が俺の言いなりになる人形じゃないことや、自分の抱いている欲望が世間ではおぞましいものだという認識はできあがる。俺はだから家を出たし、ほかの女性と…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 6

俺は嘘をついている。わかりやすくも言える。だが、わかりやすく言えば、浅倉にただ反論されるだけだ。そして、深町さんも取り合わない。言えてしまった時点で、それはもう「問題」ではなくて努力対象になるというのが深町サンの判断だ。俺は、それをこそ問…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 5

目の前の男は身じろぎひとつしなかった。それは、礼儀にかなっている。 「お前が深町さんを守りたいがために話しをしないならそれでいい。俺は来須に頼んで言伝してもらうこともできるし、もちろん自身で頭をさげる覚悟もある。だが正直、俺は茉莉のことだけ…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 4

浅倉のにやけたようすに辟易し、遠慮なく弱点をついてやった。 「お前、その調子で深町さんからかうと永遠に相手にしてもらえなくなるぞ」 「そっちへ反撃するんだ」 顔つきが変わったので俺もそれ以上つっこむのはやめた。そして浅倉は浅倉で、こちらの態度…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 3

「そういうのは、お前のほうが詳しいだろうが」 十二分に呆れて問い返すと、洋画の男優みたいに肩をすくめて、 「間違えた。深町センパイの」 なにが間違えただこの野郎。と胸内では罵ったが、それをそのまま口にはしない。 「浅倉、ここで勝手に講釈たれた…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 2

こいつ、真顔でツッコミやがったよ。 鼻白んだ俺の顔を流し見て、やつは残り僅かになった壜を片手でとりあげながら続けた。 「つうか、オレたち男が女の人の欲望に逆らえるはずないっしょ? 妹さん、あんたが初恋の人だってオレにコクってたし、もしも親が反…

「それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ」 1

目次 1 2 3 4 5 6 7 8 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 世の中に、「妹萌え」ということばが流行りだしたのはいつの頃だろうか。その前はたしか、「シスコン」といったはずだ。 しかしながら厳密にい…